映画

『世間有她』(Hero/HerStory)

李少紅(リー・シャオホン)、陳沖(ジョアン・チェン)、張艾嘉(シルヴィア・チャン)の3人の女性監督がそれぞれ1作ずつ担当した短編3作のオムニバス。 いずれもコロナ禍の中での女性たちの人生を描いています。2021年の中国映画。日本未公開。なぜか1年以…

『1950 鋼の第7中隊』(長津湖)

TOHOシネマズ日比谷に『1950 鋼の第7中隊』を見に行ってきました。 まさか日本に来ると思っていなかった『長津湖』が、映画祭でも何でもなく劇場で一般公開されると聞いたときは驚きました。今の日本でこの作品を公開しても、はたして集客は見込めるのか?中…

最美表演2019『痛打自己的告密者』と元ネタ『鵞鳥湖の夜』

新浪主催の年末恒例企画で、毎年12月に「最美表演」というショートフィルム集が配信されています。実力派俳優たちが名監督と組んで、こぞって数分のショートフィルムを演じ、”最美表演”=ベストパフォーマンスを披露しあう…というとても楽し気な番組。2019年…

易烊千璽、次なる作品は?

最新更新日:2022年8月8日 素晴らしい監督や脚本に出会い、最高の演技を見せ続けてくれている千璽。作品が変わるごとにそれまで見たことのない新しい姿が立ち現れ、魅了される。彼の演じる物語は常に新鮮で、驚きに満ち溢れていて、魅力的で、飽きることがな…

『新年快遞』(New Year Express)

今年のお正月に公開された25分の短編映画です。 2022年 中国映画 監督:徐磊(レイ・シュー)主演:蒋奇明(ジャン・チーミン)、李現(リー・シエン)、楊冪(ヤン・ミー)、張大仙(チャン・ダーシェン)、易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)他 騰訊(テン…

『奇迹·笨小孩』(『素晴らしき眺め』)

ネットフリックスにて、『素晴らしき眺め』(原題『奇迹·笨小孩』、英題『Nice View』)を見ました。この作品、日本では公開されないかもなぁ…と思っていたのですが、ネトフリが出してくれた!ありがとうネトフリ!心から感謝。 2022年:中国映画。文牧野(…

『中国医生』(『アウトブレイク ~武漢奇跡の物語~』)

『中国医生』(Chinese Doctors)を見ました。劉偉強(アンドリュー・ラウ)監督の、武漢の医師たちのコロナとの戦いを描いた作品。これまた『長津湖』同様、中国共産党100周年記念の「勝利三部作」の一つ。『アウトブレイク ~武漢奇跡の物語~』というタイ…

『長津湖之水門橋』

『長津湖』の続編です。 続編の監督はツイ・ハークだけになったのね。(陳凱歌とダンテ・ラムは監修だけのクレジットになってる)そういわれてみれば画面が実にツイ・ハークだった気がする。なにやら戦闘ゲームのワンシーンのような絵とか。戦争映画にだって…

素晴らしき眺め!

うわわわーーーーめちゃくちゃ嬉しい!なんと!千璽の映画『奇迹·笨小孩』がNetflix (ネットフリックス) で6月1日から配信決定しておりました! ちゃんと情報拾えていなくて全然知らんかった~。 日本語の題名は『素晴らしき眺め』。ええ~~?どうしてそう…

『長津湖』

映画『長津湖』を見ました。日本未公開。 陳凱歌(チェン・カイコー)、徐克(ツイ・ハーク)、林超賢(ダンテ・ラム)の大御所3人が共同監督として制作。「中国勝利三部曲」(「中国医生」「長津湖」「無名」)の一つです。 『長津湖』(英題:The Battle a…

『送你一朵小紅花』(A Little Red Flower)

映画『送你一朵小紅花』(A Little Red Flower)を見ました。 2020年の中国大陸作品。日本未公開。監督:韓延(ハン・イエン)主演:易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)、劉浩存(リウ・ハオツン)朱媛媛(ジュー・ユエンユエン)、高亜麟(ガオ・ヤーリン)…

『少年の君』(その3)

映画『少年の君』の感想、3回目です。 今回は、脈絡なくこまごました小ネタを書きました。といっても、映画の細かな考察はとても楽しいところ。いろいろと掘り下げて妄想しております。日本語字幕版ではセリフの正確なところがわからなくて(音声で聞き取れ…

『少年の君』(その2)

前回も書きましたが、この作品は、脚本、映像、演技、どれをとっても水準が高く、心に残る傑作です。見る前は、いじめや受験戦争、格差社会に生きる若者たちの苦悩を描いた暗い映画なのかなぁと勝手に想像していたのですが、全然違いました。こんなに愛おし…

『少年の君』(その1)

映画『少年の君』に関してちょっと書いてみたら収拾がつかないくらい書きたいことが多いことに気づいたので、3回に分けてUPします。それでも長いが(汗)。3回に分けた1回目(このエントリね)は、この作品を語るうえで避けては通れない二つの問題点について…

麻雀小景

『唐磚』(ドラマ『大唐見聞録~皇国への使者』のことを私はこう表記してます。原題のほうが好きだから。ちなみに発音はタン・チュエン)の中で、ギクシャクしている高祖・李淵と太宗・李世民の仲を丸く収めようと雲くんが麻雀牌を作ってプレゼントし、やり…

『ニューイヤーズ・イブ』

大晦日の前日に、『ニューイヤーズ・イブ』を見ました。10年も前の映画だけど、今まで見逃していたのは、個人的にサラ・ジェシカ・パーカーが苦手だからかも(汗)。 2011年の大晦日のニューヨーク。カウントダウンが始まる街のあちこちで、様々な人生模様が…

私の選択が私を作った

小説『フランケンシュタイン』を書いた、19世紀初頭の女性作家メアリー・シェリーの半生を描いた映画『メアリーの総て』を観ました。 メアリーは詩人・シェリーの妻なのですが(知らなかった!)、結婚に至るまでは不倫の恋人でした。シェリーの元妻の自殺、…

すべて夢の中

この新作映画の予告を見たら、ぶわわーーっと涙が溢れてしまった。凄い。これめちゃくちゃ見たい! www.youtube.com 梅姐の伝記映画『梅艶芳』。 主演のルイーズ・ウォン(王丹妮)という子が、強烈に輝いてる。梅姐の役なんだけど、本人とはまた違う「物語…

『人間失格 太宰治と3人の女たち』

いろんな物語があるなかで、私が特に好きだと感じるのが評伝モノです。実在の人物をあくまでも物語の中においてどう描くか?というのは、危険水域ギリギリの冒険ですが、うまく描けたら新たにキャラクターとしての命が吹き込まれ、その人物のイメージがさら…

「窮鼠はチーズの夢を見る」

朝ドラ「おちょやん」での成田凌がステキすぎて、主演の映画を見る、というね。わかりやすいハマりの道、第一歩(いや、ハマらんかもしれんけど)。 同名BL漫画の映画化、だそうで。共演は関ジャニの大倉くんです。大倉くんはアイドルなのに「そこまでするの…

「ドライヴ」感想点描

◆雰囲気がちょっと懐かしい香港映画みたいだった。ノワールの。昼はスタントマン、夜は強盗犯を乗せて逃げるために雇われるドライバー、ゴズリング。めっちゃクール!ほぼしゃべらない。不器用ですから…ってな感じだが、運転はとんでもなく器用。 ◆キャリー…

「男たちの挽歌」=「a better tomorrow」=「英雄本色」 

3つの題名で書いてみましたが、「男たちの挽歌」ってよく考えるといい題名だなぁ。久しぶりに「挽歌」見ました!旦那と二人でTVでね。「挽歌」はわりとユンファがワガママでイライラするせいか(汗)、あんまり好きな作品ではなくて、何回か見ているはずなの…

心に残る面影

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、1999年に「人間四月天」というドラマが中国・台湾で放送されて大人気になりました。副題が「徐志摩的浪漫愛情故事」。徐志摩というのは清朝末期(民国初期)に中国で活躍した詩人・文学者で、ドラマは恋愛遍歴…

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」

公開当時から見たかったのだけど、映画館に行けないでいるうちに終了してしまい、DVDになるのを待っていました。あまりの見たさに、すでに何度も読んでいる「若草物語」の文庫を、映画版の表紙がついてるってだけで買ったほど。やっと見られました!期待通り…

「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」

Amazonプライムビデオで見つけて、台湾の風景が見たいなぁ~と、なんとなく視聴したら、初っ端から目に飛び込んできたのは我が街の駅前風景でした。さっきいた場所!びっくりした~。 日本に住んでいる茂木(モギ)さんと台湾に住んでいるリンちゃんはSNSで…

「軍中楽園」

鈕承澤(ニウ・チェンザー)監督が私財を投じて撮影し、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)が編集協力したという作品、「軍中楽園」を見ました。1969年、緊迫する中国と台湾の最前線である金門島にあった、「軍中楽園」と呼ばれる娼館(慰安所)で繰り広げられる…

「イエスタデイ」

DVDが出るのを首を長くして待ってたリリー・ジェームズ出演の最新作「イエスタデイ」をようやく見ました!これ、すっっごく良かった!期待以上に素晴らしい作品でした。あまりにも良かったので繰り返し見てしまったよ。 イエスタデイ (字幕版) 発売日: 2020/…

「スタンド・バイ・ミー」

言わずと知れたスティーブン・キングの同名小説を映画化したものです。私は映画を観るより先に小説の方を読んでいたのですが、キングの小説の中でも出色に素朴で文学的な色彩をもった世界に惹かれました。映画の方も、その印象を損なうことなく忠実に描いて…

「JAWS」

今更説明するまでもない超有名な人喰い鮫のお話。人喰いザメ=ジョーズ、という普遍的共通認識を生み出した名作です。観光地のアミティ海岸で鮫に襲われた海水浴客が死亡する事件が立て続けに起こり、警察署長のブロディ(ロイ・シャーダー)は、海洋学者の…

「ニューヨークの恋人」

私がブレッキン・メイヤーを知ったのはこの作品です。最初に見たときちょっと心にひっかかり、2度目に見たときにはすごく気になってしまい、3度目には彼こそがこの映画を見る動機となりました。とはいえ、ブレッキンがいようがいまいが私にとってこの映画は…