「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」

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Amazonプライムビデオで見つけて、台湾の風景が見たいなぁ~と、なんとなく視聴したら、初っ端から目に飛び込んできたのは我が街の駅前風景でした。さっきいた場所!びっくりした~。

日本に住んでいる茂木(モギ)さんと台湾に住んでいるリンちゃんはSNSで知り合います。他愛ない会話を続けているうちに、仲良くなる二人。ある時、茂木さんが友人たちと一緒に旅行で台湾を訪れることになり、現地ガイドを買って出るリンちゃん。初めて実際に逢った二人に恋心が芽生え…
という話。基本、遠距離でSNSでつながりあっている二人なのですが、次第につのってゆくお互いの恋心の描写が胸キュン(死語かw)です。絵ヅラ的にはいつもスマホの画面ばっかり見てるのでちょっと単調。お話自体も、これでホントに二人は幸せになれるのだろうか…という一抹の不安を感じるものがあるのですが、まったりしたユルイ映画なんだと思えば、楽しくみられるかな。

とにかく、びっくりするくらいヒロインが可愛い!彼女を見ているだけでもあっという間に時間が過ぎる。ジエン・マンシュー(簡嫚書)という女優さんなんですが、私は初見でした。恋する女の子のトキメキやワクワクを全力で体現してくる一生懸命な感じにメロメロになっちゃいます。台湾の女の子は総じて可愛いけどね(全くの主観ですw)!
対して茂木さんはというと、これがなんだかボーッとしててよく反応がつかめないタイプ。まぁ、実話がベースなのでホントに茂木さんってこういうタイプなのかもしれないけど、なかなか感情が読めなくてもどかしいの。演じているのは中野裕太。癖がある俳優さん持ってきたなぁ~って感じ。これ、別にもっと日本人っぽい人で良かったと思うんだけど。中野裕太は濃い顔なので、ビジュアルは日本人的ではないんだよね。東南アジア的というか…ちょっと違ったニュアンス出てきちゃう。彼自体はセクシーだし、悪くないんだけども、この映画では日本×台湾という図式がベースにしっかりないと決まらないので、ビジュアル的にもより日本的男子の方がしっくりくる気がします。台湾のリンちゃんは実に台湾にいそうなスリムで元気でパワフルな女子だからなおのこと。

リンちゃんが台湾に来た茂木さんと夢のように楽しい時間を過ごして、気持ちが盛り上がって「日本に嫁に行く!」と言って茂木さんの家にやってくるんだけどね、茂木さんは栃木のどうってことない住宅街のアパートで、父親(蛭子さんが演じてる)と一緒に住んでるわけ。
ここでリンちゃん、輝けるのかな…って心配になるのよ。リンちゃんのママじゃないけど、日本に嫁に来ない方がリンちゃん幸せなんじゃないかと思っちゃう。それほどに日本や日本に住む茂木さんや茂木さんの父親や、なによりもそこに住むと想定したときのリンちゃんが、輝いていない気がしてしまう。こんなこと言ったからって栃木が輝いてない土地だってことじゃないのよ。私は日本一ここが好きですし、すごくイイところです。住めば愉快だ宇都宮!ですよ(宇都宮のキャッチコピー)。「輝いていない」ってのは、あくまでもこの映画の中での両者の立脚点を比較して、という意味でのことです。
台湾では賑やかな町で、家族や友人に囲まれて、生き生きと自由に言いたいこと言って楽しそうに暮らしてたリンちゃんが、排他的な日本でね、地方都市の静か~な住宅街でね、言葉もカタコトで…しかも茂木さんはなんだかぼんやりさんタイプで(お父さんはさらにぼんやりしておる)…いやいや、無理でしょう、やめといたほうがいいよ、と思っちゃう。育った土地が違う二人が結ばれる難しさってのをひしひしと感じてしまう。
ママはそりゃ反対するよ。可愛い娘だもん心配に決まっているじゃないの…と、妙齢の娘を持つ身としてはめっちゃ共感しました。最後のママの言葉に思わず泣いちゃったもんね。
でもね、映画では描かれない「その後」では、リンちゃんはそういうもろもろを乗り越えて、日本でも生き生きと暮らしてゆくようになるのです。それはどれだけリンちゃんが頑張ったか、どれだけ茂木さんが好きだったか、ってことだよね。実際のリンちゃんはめっちゃ逞しいのです(そしてご本人も映画のリンちゃんに負けない超級美人さん)!
恋のパワー、人を好きになる時のトキメキや楽しさ、突破する強さ、差異を乗り越える挑戦の難しさ…いろんなものがギュッと詰まっている。画面的な起伏は少ないけれど、心情的な起伏がたくさんある作品です。

 

予告編


「ママは日本へ嫁に行っちゃダメというけれど」本予告


公式サイト

mama-dame.com