『送你一朵小紅花』のプロモ座談で千璽が語ったことなど

猫派の千璽が愛おしそうに抱いているのは、映画『送你一朵小紅花』にも出演した「小紅花」という名前の猫ちゃん。野良猫だったのを撮影スタッフに拾われて、映画デビューしたのだそうですよ。

この小紅花ちゃんも参加してる『送你一朵小紅花』の座談会Youtubeに上がっています(2本セット)。
2020年の12月の映画公開を前に撮ったもの。プロモーションプログラムですね。
何度も言いますが、私は後追いなので昔のネタをいじっております。しかも未公開作品…需要あるのかこのネタ。私が好きだからいいのだ。

この作品、地味によくできているし、何より千璽の演技がまったくもって過不足なしにジャストな「韋一航(ウェイ・イーハン)!」(←主人公ね)だったので…って、こんな言い方じゃ伝わらないと思うけど、キャラそのもの!という存在感でしてね、私はこの千璽、大好きなんですよ。ご本人も「全身で丸ごと役を作り上げた初めての経験」と言ってるくらい、人物造形の凄さが光ってるのです。病気であること以外にはごく普通の同年代の男の子で、でも病気があるゆえにどこかが全く普通とは違う意識を抱えた男の子でもあり…という難しい役を、さりげなく、しかしとても深く演じています。表情や話し方などどれも”どこでも見たことがない”千璽なのですよ(まぁ、彼の場合だいたいどの作品もそうですが)
対談では、監督、出演者の作品の解釈や、寄せる想い、自分の経験との関わりなどがリラックスした雰囲気の中で語られています。

パート1


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パート2


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最初このVの千璽を見た時、「この子はなんて愛想が無いのだろう…」って思ったんですよ。ぶっきらぼうだし、ダラーっとした姿勢でソファに座って、あんまりお行儀も良くない。

いい意味で、千璽は「お愛想」をしないんですよね。空気も読まない。ある意味、傍若無人
こういったマイペースな様子は千璽的にはすごく自然なのだろうと今では思うし、彼なりに真剣に対談に臨んでいるのは、その受け答えからもわかるのですけどね。こういう、学生みたいな(って、この時は実際に学生か)ディスカッションの仕方をするのが、芸能人ぽくなくてなんだか面白い。

千璽の興味深かった発言をいくつかピックアップしてみます。

 

(パート1)
韋一航(@易烊千璽)とパパ(@高亞麟)とママ(@朱媛媛)、韓延導演

(映画の中の親子関係の話から)
「小さい頃、僕は何をするのもノロくて、ご飯を食べたり宿題をしたりする時、ママは(映画に出てくる母親と)基本的に同じ感じだった。僕がノロノロすればするほどママは急かし、しまいには口論になる。ワーッといった感じの勢いで言い争うのがお決まりでした。」

これは、なんとなくわかりますねぇ。
千璽ママは凄くテキパキしていて、無駄がない!というイメージだから、こんな様子も容易に想像がつきます。

(主人公・韋一航が遅くまで働いて帰ってきた父親に、さりげなく麺を出すシーンで、「ストレートに愛情を伝えられない親子関係」の話になって)
「僕にも親に対して似たような経験があります。印象的だったのは、2015年…2016年だったかな。北京に2日ほど滞在して、すぐに仕事で他の場所に移動しなくちゃならないって時があって。パパが、スタッフの元に僕を送り届けてくれたんだけど、車から降りる時に、”あ、今日はパパの誕生日だ”って気がついたのです。パパはいつものようにリアウィンドウを下げて僕を見送りながら、何か言いたげでした。僕ともうちょっと話したそうな感じで。僕も”お誕生日おめでとう!”って言わなくちゃと思いつつ…結局恥ずかしくて言えずじまいでした」
「北京に滞在するときはいつも実家にいるのだけど、時々、何か感動的な文章を読んだ時やなんかには、ママのところに行ってハグをします。(パパには?の質問に苦笑いして)パパにはできない。男同士で照れ臭いというか…恥ずかしくなっちゃって」

うわー凄いなぁ。さすがに筋金入りのママっ子。
「え?感動するとママのところに行ってハグするのか!」と、あまりの驚きに何度もVを見直したけど、確かに言ってる(しかもとても嬉しそうに)。媽宝(マザコン)と言ってよろしいよねぇ?ママは嬉しくてたまらないやつ。お国柄の違いなのかしら。私も感動すると息子をハグするけど、息子からはしてこない。母のごり押しがあるのみ。この差は大きい。

 

(韋一航という役を演じるにあたって)
「上から下まで、内側から外側まで、役の全てを塑像のように包括的に作り上げるという、初めての経験だった。外側の造型を作り、心の中をそこに付け加える。全部が融合して初めて、これが自分だと思えた。2017年に演技を始めてから今までで、(この役は比較的に)すべての面で一つの役柄ができあがっている。なぜなら監督のスクリプトが、この少年をとても多くの側面からとらえ、様々な角度から見ているから。僕もこの少年を違ったやり方で演じることで、多くの空間に行き、多くの機会を得ることができた」

研究熱心で、監督に忠実な素晴らしい役者魂を感じます!

(成長することの話の中で)
「自分の心の中で、ゆっくりといろんな感覚が目覚めていってる感じがしてる。いろんなことに次第に敏感になってきてると思う。デビューして以来…13歳の時からだけど、なかなか泣けないしなかなか笑えなかった。群衆から距離を置いていたかったし、誰かと一緒にいたくなかった。自分の身に起こるいろんなことに強く心が動くこともなかったし、それがどうして起こったのかを分析して考えようともしなかった。僕みたいな、こういう変わった特質の人間って、身体の外側がすごく硬い殻で包まれてるみたいだと思う」

大事なところなんだけど、巧く訳せない(汗)。何やらすごい告白をしているよ。アイドル時代の自分はまるでお人形だったかのような表現にも聞こえる。でも、だんだんそういう「殻」からゆっくりと抜け出せている自覚があるようです。

(千璽はこの対談の数日前に誕生日を迎えてニ十歳になりました。「二十歳になって何か変わった?」の質問に)
「成人と言われる18歳よりも特別な感じはある。年齢が「2」から始まるようになって、やがてすぐに「3」から始まるようになる…人生の階段を上ってるんだなと。(「おいおい何言ってんのwまだハタチだろ」とのツッコミが入る)…正直なところ、特別に感じるものはない。でも、「2」から始まる年齢は、違うなと思う」

変わった表現の仕方w まぁハタチやそこらで年齢のことなんて考えませんよね。実感がない、ってのがホントのところなんでしょう。

 

(パート2)

パート1に、馬小遠(@劉浩存)とそのパパ(@夏雨)が加わっての対談です。

(自分がこの世からいなくなる時がいつなのか知りたい?の質問で、知りたいと答えたのは千璽だけでした。その理由は、と聞かれて)
「純粋に、好奇心で(知りたい)。来年か、あるいは数十年後か…”その日”がそうだとわかっていれば普通に過ごせる。知らないと”その日”はまた、ただの一日だし」

続く、「人生をやり直したい?」の質問には「NO」と答えてました。そりゃ若いもんねぇ。

座談会の最後にみんなの手に互いに「小紅花」を描こう!となって、千璽は韓監督の手に描いたのだけど、その絵があまりにも劇中の本物と同じなので皆がビックリしておりました。
「すごい、全く同じに見える!」「巧いな~」などと言われた千璽は「何度も練習したからだ、って思わない?」と一言。こんな些細なことにもぬかりないニ十歳、おそるべし。

こちらは馬小遠(マー・シャオユエン)を演じた劉浩存(リウ・ハオツン)

彼女は「声」(?「しゃべりかた」かな)が凄く特徴的なんですよ。
「この話し方はかなりブリブリだなぁ。役作り?」と思っていたんだけど、実際のハオツンのしゃべり声がそのまんまだったのに驚きました。素(す)の状態でこういう話し方だったのか~。可愛すぎるだろう。メロメロだろう。スッキリ系の一重瞼(アイプチみたいなので二重になってる時が多いが一重の方がいい)も珍しく、ハマったら深そうです。今や彼女は「イーモウガール」(=張芸謀の映画に抜擢されてるカワイ子ちゃん。将来有望多し)ですしね。

…と、思っておりましたら、なにやらハマった人がいたようないないような珍妙な噂がネットを騒がせてたんですよねぇ。
千璽とハオツンが恋人同士だという噂ね。
噂の火種は千璽本人の微博です。え?なになに自ら抑えられなくなったパターン?…とちょっとワクワクしながら噂の詳細を調べてみましたよ。
あくまでも噂(フェイク)ってのを前提に、事の経緯をちょっと書いてみますと…

 

(注:この先ゴシップなので、こういうネタが嫌いな人は無視してください。私は肯定的にとらえているので、感覚的に合わない人はイラつくかもです)

 

【千璽が夕日の中に佇む自分のシルエット…という動画を唐突にUPした。動画の最後に隠しURL(xiqianyangyiと、名前のピンインの逆を使ったもの)が載っていた。謎のURLを辿ると、千璽のミニサイトがあり案内文が全文「ピンイン語」で書かれていた。読み解くと、”このウェブサイトを公開することの意味は、ファンに「私が言いたいこと、取るに足らない秘密、発散したい感情、奇妙なこと、奇妙な夢、奇妙な考え」を伝えることです。”という文章があった。】→ピンイン文字はハオツンが気に入ってよく使っている表記方法。

【そこにUPされていたのは、二胡(胡弓)を自ら演奏している動画。「生日快楽(ハッピーバースディ)の歌」と、「きらきら星」。UP日は5月20日。】→5月20日はハオツンの誕生日。「生日快楽」は彼女の誕生日を祝ってるのではないか?「きらきら星」は、その日、ハオツンのファンクラブがファンの呼称を「星存」と呼ぶことに決定したことに絡めているのではないか?

【この動画を保存するマークのところに「保存」ではなく「存」とだけ書かれている。】→ハオツンは常日頃自分のことを「存」と呼んでいる。

【千璽が載せる「小紅花」等のマーク(花マーク、親指マーク)などがほぼハオツンが書いたものと同じフォルム。】

…ってところが疑惑ポイントとして挙げられていました。
そもそも、中国において5月20日が何の日か?ってことです。
これ、「我愛你」(音が似てるからそうなった)で、恋人の日とされていて、好きな人に告白したりする日なのです。中国独自のバレンタインデーみたいな日なのね。で、たまたまハオツンの誕生日がこの日だった、と。

千璽はこの騒動が起きてから、すぐにコメントを出しています。
コメントは動画と共に置かれた以下の文言です。

1:小網站誕生日,說點啥?(ミニサイトの誕生日だ、って言ってるでしょ?)
2:儲存的意思!請在網頁下載視頻(ストレージの意味! ウェブサイトからビデオをダウンロードしてください)

若干キレ気味な言い方のようにも読めます。「」ってのは「什麼」の方言で、仲間内でしか使わないような冗談めいた言い方。しかも中国の北方の人しか使わないのだそうです。千璽は中国の南の方の生まれだから、馴染んでいる言葉ってわけでもないのを使ってる?東京の人が「そう言ってるやんけ」的な言い方をするのに近いのかなぁ…と推測したりしましたがどうなんでしょうか。

この文言からわかる千璽の主張は「バレンタインデーなので、ファンに(プレゼントとして)新しいミニサイトを開設した」
「生日快楽」の曲はミニサイトの誕生を祝ったものであり、動画の保存に「存」とだけ書いたのは、”保存”ではなく”存儲”のつもりだった」ということですね。
とりあえず本人からの一言によって、ファンも納得し、騒動は収まりました。
…が、中にはどうも納得できないという疑り深いファンもいて

「そもそも恋人の日に毎年千璽がファンに何かしているかと言えば何もしてない。なんで今年だけ?(ちなみにハオツンと知り合って、この5月が初めてのハオツンの誕生日)」
「微博でさえずっと告知しか載せておらず、ファンサービスなど長いこと見てない」
「この投稿は二人の関係を否定してるわけじゃない」

などと言う声もあります。(面白い!思わず笑っちゃった)

さて、真相はいかに?
…って、こんなの真相がわかることなどないでしょう。もちろん今後千璽がこのことについて積極的に発言することなど絶対ない。
でも私の人物観察からすると、「なくはない」って感じなんですよね(鬼)。
ファンに対して過剰なまでに周到な千璽みたいな人が、わざわざ誤解される日に誤解されるようなことはそもそもしないと思うのよ。ただでさえ風当たりの強いハオツンにも多大なる迷惑をかけることになる。他人を巻き込んでしまうと容易に想像つくようなこと、ご丁寧に隠し扉に謎の文字列まで作ってやります?何年も放置状態のファンサービス、いきなりやるかね?去年でも一昨年でもなく今年ってのがさらにわからない。自ら切望してアイドルから俳優になろうとしてる時だよ?いきなりのファンサービスが奇妙に思えるタイミング。
それをあえてやったところが最大の謎であり、核心でしょうね。
まぁ、深掘りはしないでおきましょう。
個人的に私はワクワクしてますけどねw

ちょっと調べたらただでさえ劉浩存って悪く言われてるんですよ。イーモーガールの宿命かもしれないけど。「演技が下手」「大物と共演するのは取り入っているから」「エラそうな物言いが鼻につく」などなど可哀そうなくらい。千璽のファンに目をつけられたら大変なことになりそう。「千璽と共演したらその作品は見ない」ってファンがいますからね(そんな奴は見なくてよろしい)
あんまり悪くいうと、そういうところに千璽がシンパシー感じてしまうかもしれないよ?かつて千璽が受けた仕打ちを思い出すべきでしょう。
このインタビューでも告白していたように、デビュー以来、泣くのも笑うのも抑えてしまうような、柔らかな感受性さえ見失っていた男の子が、もしも、ですよ、もしも恋をしているのなら、そんな素晴らしいことはないじゃないですか!胸がいっぱいになってしまうわよ。もしそうならね。違うならそれでいいし。

私はハオツンに興味が湧いたので(千璽云々とは関係なく、そこまでヘタと言われる演戯とは?という文脈で)、映画「ワン・セカンド」を見に行こうと思います(ウチの地元では来月公開)。
『送你一朵小紅花』では演技に関して特に下手だとも思わなかったのですが(しゃべり方がブリブリだ!とは思ったけどw)、「ワン・セカンド」ではもっと重要な役柄でしょうから、演技の巧拙も見ることができそうです。
噂になっている張芸謀監督作『満江紅』(千璽の出演は決まっている)にハオツンが参加するのかどうなのか問題ですが、6月22日の芸能記事でも女主角はまだ「未定」のままです。気になるなぁ。

 

この映画のレビューはこちら↓

 

freakyflower.hatenablog.com