「恋の闇 愛の光」

恋の闇 愛の光 (字幕版)

恋の闇 愛の光 (字幕版)

  • 発売日: 2016/12/01
  • メディア: Prime Video

これ、ずーっと昔にメグ・ライアン目当てで観たことがあるのですが、シューリスの存在は全く憶えておりませんでした。
その時は、メグ・ライアンがものすごく期待はずれだったのと*1、あまりのつまらなさとで途中で見るのを止めたのでした。
今回あらためて見ても退屈なことには変わりなかったのですが、目的のシューリスはとてもいい演技をしていたし、美術や衣装などの見た目が思いのほか豪華だったのが楽しめました。 (どうりでお金かかってると思ったら、アカデミー賞美術賞、衣裳デザイン賞を受賞してるんですね。相当なリキが入れられてたということか。)



医師の道を捨て、華やかな王宮で享楽の限りを尽くす主人公ロバート(ロバート・ダウニー・Jr)とは対照的に、シューリス演じる主人公の親友ジョンは華やかさとは無縁で、ひたすら学問と奉仕に励むお医者さまです。
クゥエーカー教徒の服装をして、質素で地味で勤勉で禁欲的で、その人生と仕事に対する姿勢はとても偉いのだけど、なんだか真面目すぎる印象がある人。最後には志半ばで若くして死んでしまうので、さらにポッカリとした淋しさを感じてしまいます。
ロバートに最期を看取ってもらうシーンはホントにせつなかった。
ジョンは、死の間際まで医学への情熱を抱き続け、自分の果たせなかったその想いを親友に託すのです。医学の才能を持ちながらも医者としての道を絶ったままでいるいい加減だったロバートも、親友の死を境にやっと自分の天職に邁進する決意をする。


死ぬ間際、診察を受けるシーンのシューリスの裸が神々しいです。
真っ白で産毛も生えていないんじゃないかってくらい滑らかで、胸板が薄くて、すごく弱そうで、でもとてもキレイなあの体がね。ヘンな意味じゃなくて、すごく胸にくるのです。
貧しく粗末な病院の狭い部屋で、こんなにもキレイなままこの人は召されてしまうんだなぁと。胸が詰まる思いがする。
同じ裸でもヴェルレーヌ先生のときはあの滑らかさがキモさを際立てていたのに、話が変わればこんなにも清廉なイメージなるとは。
つくづくイメージとは具象のみではもたらされない背景の産物なのだと思うね。*2

*1:私は現代のニューヨークでお洒落な格好をしてキュートな恋愛をするメグしか見たくないのです!申しわけないのだけれど(というより、スゴイ事だと思うのだけど)私にとってメグは女優ではなくて、あるイメージの具現に他ならないのです。そしてそのイメージはメグ以外には代わりがいない。つまりあるひとつのイメージにおいて、メグは私にとっての女王なのです。でも、そこから外れてしまったら、それはもう私の好きなメグではないのです。

*2:ってか、シューリスは今でもあんなきれいな体をしているのだろうか?ルピ先生の背広の下がアレだと想像するのはムリがあれども、アレかもしれないわけだよね。それって悶絶モノですね。