「ビッグ・リボウスキ」

ビッグ・リボウスキ (字幕版)

ビッグ・リボウスキ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


コーエン兄弟の、どアメリカンな映画に、ほんのちょっとだけシューリスが出ているという不思議。
フト振り返ってみて愕然としたんですけど、ここのところ私がデビシュ目当てで見てきた映画って、今までの私の守備範囲…ってか好みの空気を持ってるもの(=どアメリカンなもの)がほとんど無いのですよね。
この作品を見て久しぶりに感じたなんだか心易い居心地のよさは、ちょっと里帰り気分(?)だったのだな、と。
英国の水は、実はあんまり体質に合わない。異質な感じに緊張する。
その緊張が恋には必要なのですけどね。幼馴染みとデートしてるんじゃないんだからw


これ、すごく面白かったです。
わけわからなさとか独特のユルさが、こっちまで脱力させてくれて、ゆえにラクに見られる。
そのラクさの向こうで、妙味の効いた言葉のやり取り、間の面白さ、展開のとんでもなさ、ぶっ飛びのキャラたちなどが可笑しい。
チョイ役のデビシュ目的だったけど、思いがけず映画自体を楽しみました。
主役のジェフ・ブリッジスがとことんダラ男で、これまた力が抜けてていい。ナイスなユルミっぷり(笑)。
ジェフ演じるデュードは典型的な巻き込まれ型主人公。
そして彼を翻弄するキレキャラの友人にジョン・グッドマン。これが強烈!!
この映画はジョン・グッドマンの独壇場だと思うくらい弾けてましたね。
とんでもないKYを演じてこんだけサマになる(ってかリアルに感じられる)のが相変わらずスゴイよ。えらく怖いけど、めちゃ可笑しかったです。なにげに芸達者だな、みんな。
でもって音楽の選曲が、めちゃステキだ。どれも私の好きな曲。古くて、POPで、気持ちがいい曲ばかり。
ボブ・ディランとか!ダルい!サイコー♪
それと、ボーリングってのがなんともマヌケで平和的(笑)。
私、申しわけないけどボーリングってバカに見えて仕方ないんですよね。玉転がしてピン倒すって、ガキかよ!みたいな。
でも、そういうバカみたいなゲームに血道をあげてる人が世の中にはたくさんいるわけで、そこには人生に通じるものがあるんかな、と。
人生なんてバカみたいな事に血道をあげてくことの連続で、考えてみりゃたいしたことしてなかったりする。
でも、決してそれはくだらなくなんかないわけで。それこそが生きる、ということで。
って哲学考えてもしょうもないんだがw


シューリスは(どう見ても)ゲイのビデオ作家役で出てきます。
スキンヘッド、ナヨった動き、甲高い笑い声、ヒゲw。
ぶはっ!
強烈にキモイ!!!真骨頂だ(爆)。



これって見ようによっちゃぁヤケッパチなパロディに見えなくもない。
この映画、ヴェルレーヌ演った3年後に作られてるんだけど、その間、シューリスが何を演じてもあのヴェルレーヌの印象に付きまとわれていたのだと考えるとこの役の深みはいや増します(笑)。
この3年間、ドクターモローの地獄の島で必死に主演をつとめ、ブラピと一緒にヒマラヤに登り、おかっぱのアイノン王を演じてきたわけだけれど、ヴェルレーヌインパクトには遠く及ばず、一般的には「デビシュ?ああ、あのデカプの相手役のキモハゲオヤジ!」だったような気がするんですよ。
って、これ被害妄想か?いや、そうでもないよ。ちょっとネットで検索すれば目も当てられないくらい「そういう見方」をされてるもの。
これに関しては今や私は言いたいことが山ほどあるので、あとでまとめて書きますが。


ま、それでもここではえらく楽しそうに演ってんのでなによりでした。
そういえばどっかのインタビューでシューリスは「LAが大好き」って言ってました。べつに、曇り空ばかりが似合うイギリス人ってタイプでもなくって、案外ハッチャケさんかもしれない。
とはいえ、シューリスは画面的にはやっぱりちょっと異質でした。
いや、LAにああいう業界人は腐るほどいるだろうけれど、それとも違うような。まとってる空気が微妙にズレてるんですよね。
やっぱりどうしたって欧州の人なんだなぁと。
昨日、ロンドンからLAに来た、って感じだ。
コメディやってるシューリスはなんだか可愛いです。もっと見たいよぅ。