近況

ふっつりと更新しなくなってしまい、もしかしてご心配おかけしている向きもあるかと思いますが、大丈夫です。元気です。
なんだか気づいたらブログが書けなくなってしまって。ブログだけでなくて小説も書けなくなってしまって。思いっきり立ち止まり状態です。
こうしたことはしょっちゅうあるので、特に気にするほどの事ではありません。私自身は己の無力に大いに煩悶しておりますが、そんなことも常態であります。
日々、五十肩の痛みに耐えながらソロリソロリと生きています。
衣服の脱ぎ着さえ難儀しつつ、読書などで気を紛らわせていますが、自分の書き物も進まない中ではなかなか純粋な驚きと愉しみで本を読むこともままならず。
常に焦燥感の残った状態で、そのくせボンヤリと月日だけが過ぎてゆきます。

昨夜、松本清張の「真贋の森」を読みました。
これを読んで「凄く面白かった!」というお嬢と、読後に感想などを言い合いました。
お嬢曰く、科白と地の文章の割合が絶妙で、ぐいぐいと引き込まれる。短い描写で一瞬にしてその場面が浮かび上がるような表現力。俗っぽさとアカデミズムのバランス。人物造形が的確で、ストーリーも面白い。どれをとっても実に一流で完璧!…とのこと。なるほどなぁ…と。加えてこの小説には清張の置かれた立場から見た、権威に対する軽蔑や憤り、その感情に翻弄される者の虚しさもしっかり描かれていて、人間ドラマとしても秀逸です。これぞ大人の小説、という貫禄がある。

こういうのを読んでも、思うのは己の駄文の惨めさばかりです。
50もとっくに過ぎて、漱石だったらとうの昔にこの世にいない年齢だというのに、私の書くものは相変わらずまるで子どもじみている。
一旦そんな風に思ってしまったら、恥ずかしさのあまり再び読み返す気力もないくらい、自分の中で強烈な「駄目出し」が渦巻いて、全てご破算といった感じ。ガックリときています。情けない限りです。
ちょっと一旦落ち着いて、もう一度いろんなことをじっくり考えたい。
もはや書けるもので勝負するトシじゃないことに今更ながら気がつきました(遅い)。
自分の書けるものを書いていては、ただでさえ稚拙なものがより低きに流れてしまう。もっと勉強しなくては。自分の中でのハードルはまだまだ低かった。
やはりどうしたって、理想を追い求めないとダメなのです。自分で自分を納得させられない。自分で自分を楽しませるには、今の自分を超えていかないと!
そんなことを考えています。