「アガサと殺人の真相」

BS12で放送のドラマ「アガサと殺人の真相」を見ました。

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アガサ・クリスティの”謎の失踪事件”は有名だけれど、それを題材にミステリーに仕立て上げたストーリー。ナイスアイディア!とても面白かった。
アガサが身分を隠し変装して昔の未解決事件(及びそこから派生した殺人事件)の謎を解こうとしている時、世間はアガサの失踪事件を解明しようとしてる。アガサの失踪解明で駆り出された警官が多すぎて、殺人事件に回された警官が3人だけ!というのが、いかにも当時のアガサの立ち場をよく描いてます。
そんな”スター作家”のアガサでも、女性というだけで軽んじられたり、夫の浮気やモラハラに耐えてたりするのに驚きます。
ドラマの最後に流れた音楽(ジャズエイジ時代の古いジャズ)であらためて気づいたけれど、アガサの失踪があった時代って1920年代半ばですよね。アガサの作品は身近なせいか、あまり時代性を感じない存在で、そんな昔の人だったことをつい忘れてしまう。なかなか女性が活躍するには不自由な時代に頑張っていたんだな―と思うと、胸がジーンとします。

ジャズエイジの時代性たっぷりの衣装やセットも堪能しました。
アガサの書斎。メチャクチャ素敵!

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アガサはこの机で、アイディアを書いた紙をあれこれと並べ替えて物語を組み立てていました。以前、アガサの創作ノートを読みましたが、パズルを組み立てるように登場人物をあれこれ配置してストーリーを作っていたのがよくわかりました。ミステリー作家ならではの創作方法で、とても興味深い。
こちらの本です。そうだ、これ今こそもう一度読み返してみよう。

 

 
このドラマ、面白かったんだけどちょっとよくわからなくてモヤモヤしたところが一か所ありました。
アガサが失踪後に書いた作品の題名が、ドラマの字幕では「ナイルに死…」と出てたのです。画面の映像では「Death on the 」までしか映っていない。
これって誤訳なんじゃないのかなぁ。
「ナイルに死す」ってアガサが再婚してからの作品だもん。もっとずっと後でしょ。
同じ英題で邦訳が「ナイル川の殺人」っていう作品があるのでそっちかな、と思うのだけど(それでももっと後に書かれたと思う。しかも短編です。映像にあった膨大な原稿の量には合わない)。
ミステリーを見て、ミステリーが残った、って感じ。
これ、Twitterにも書いたんだけど誰からも何のツッコミの入らずにわからないままです。謎。

ドラマは見逃し配信があります。面白いので是非!

■ 「アガサ」3作品放送
BS12 トゥエルビ
2021年1月15日(金)19:00~「アガサと殺人の真相」
2021年1月22日(金)19:00~「アガサとイシュタルの呪い」
2021年1月29日(金)19:00~「アガサと深夜の殺人者」
※放送終了後、21時から7日間に限り番組サイトで無料配信
見逃し配信

www.twellv.co.jp


<日本初放送>英国ドラマ◆ アガサ|BS12