徒然に、私のミステリ遍歴

小さな頃からずっとミステリが好きでした。
最初はありがちに江戸川乱歩から。ポプラ社の少年探偵団シリーズを全巻持っていました。一冊ずつ買ってもらって、そのたびに胸に抱いてワクワクしながら貪るように読みました。
その後、学校の図書館で出会ったオー・ヘンリーにハマりました。ミステリ…とは言えないかもしれないけれど、私の中ではその系譜。物語の構成の巧さに心底感動しました。
次には王道のコナン・ドイルです。でも、最初はホームズが嫌いでした。推理は鮮やかだけど、ホームズのキャラは好かんなぁという感じで。(今はそんなことないですよ)
その後、角川映画ブームで作品もブームになった横溝正史、母親が好きで家にたくさんあった松本清張、図書館で借りまくったアガサ・クリスティ…と、さらなる王道を行き、大学生の頃、運命の人(!)ウイリアムアイリッシュに出会ってから翻訳ミステリのとりこになり、ディクスン・カーを読んで本格モノのファンになりました。
大学時代には学校のすぐ近くにミステリ専門書店(「深夜プラスワン」)があって、ハヤカワのポケミスを集めるようになり、たくさんの翻訳ミステリーを読みました。
社会人になり、島田荘司に夢中になった頃、「新本格ブーム」が起こり、綾辻行人有栖川有栖などの新人の作品も新刊が出るたび飛びついて買いました。お給料がほぼ本に消えていた時代です。
神保町の「書泉」という本屋さんが新刊本の入荷が一番早いので、毎日チェックをし(神保町が乗換駅だったので丁度良かった)、「ミステリマガジン」と、当時はまだ健在だった「EQ」(光文社から出ていたエラリー・クィーンズ・ミステリ・マガジンの日本版)も読んでいました。
でも最初の子どもが生まれた頃からだんだんとミステリを読まなくなり、やがて全然読まなくなり、以後、10年以上のブランクとなってしまいました。
子育て中にはなぜか殺人事件の話がまるで読めなくなっちゃったんです。フィクションだとはわかっていても、人死にが出る話はどうもダメだった。不思議です。本能的なものなのかもしれません。
その後、再びミステリを読み始めたけれども、以前のように夢中になって貪るように読むという感じではなくなってしまいました。
それでもやっぱりミステリは好きなんですよ。ただ、昔はマニアの域だったので、それに比べたらまるで普通以下の読者になってしまったなという感じです。特にミステリを選んで読むということさえしなくなりました。


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これは、かつて「ミステリマガジン」のアンケート懸賞に当たっていただいたお宝本です(文庫では同じものが出版されていますが、懸賞のものはハードカバーなのです)。
私がマニアだった頃の出版物なので、頁を開くとあの頃のドキドキワクワクしていたトキメキの記憶が蘇ります。

翻訳ミステリの分野で私が好きな作家ベスト3は、ウィリアム・アイリッシュピーター・ラヴゼイアガサ・クリスティです。次点でダン・ブラウン
私が「こんな風な作品が書けたらなぁ」と憧れているのは、ピーター・ラヴゼイです。
ラヴゼイの作品はとてもスタイリッシュでどこか明るい。ちょっとコメディ…というか、ファニーな感じがするところも大好きです。すごくオシャレな感じがする。でもしっかりと本格なの。読むたび惚れ惚れします。

ちなみに私のラヴゼイ作品ベスト3は、「偽のデュー警部」「煙草屋の密室」「キーストンコップ」です!

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