楽しい冒険、続けよう!

「おちょやん」がすごく楽しいです。久しぶりに毎朝が楽しみな朝ドラ。
「スカーレット」も「エール」も面白く見ていましたが、作品のエッセンスに対する共感が深いかというとそうでもなく。物語として面白かったので続けて見ていた、という感じでした。
でも、「おちょやん」はなんだか私の感性やトキメキのようなものと近いのです。ワクワクする。
おちょやんのものの考え方や周りの人たちのキャラクターも好きだし、グッとくるセリフが多いのもイイ。そして、舞台がお芝居や映画のエンタメの世界だというのが魅力的です。

私は昔、食い詰めたらどこかの旅芸人の一座に加えてもらって、そこで生きてこう、なんてことをよく夢想していました。
実際の旅芸人の生活は知らないけれど、映画などで見るそれは、何かになり損ねた(あるいは何かにまだなれずにいる)くすぶった人たちの浮き草稼業のようでいながら、自由と誇りを失わないすごく本質的な生き方をしているように感じられたのです。私もあんなふうに生きてみたいな、いいなー、楽しそうだなと心のどこかで思ってた。もともと根無し草に憧れる傾向があったし、お芝居という虚構に片足を入れながら生きることに憧れもあった。その場しのぎで生きてる人を見て親近感を感じてたというのもあるかもしれない。(「男はつらいよ」なんかが大好きなのもそういうところね)

若い頃、松坂慶子が好きで、出演している映画を片っ端から観たのだけど、それらの映画の影響もあると思う。
80年代に松坂慶子が出てた映画って、ほとんどが風来坊みたいな役なんですよ。
蒲田行進曲」「人生劇場」「青春の門」「上海バンスキング」「自由な女神たち」…どれも女だてらに根無し草で風任せ。波乱万丈だけど生き生きと輝いていて、「人生やってる」って感じがした。
ああ、「まとも」に「きちんと」生きようと思わなくてもこうして直感的に人生に対処してゆけばどうにかなるし、むしろそっちの方がずっと自分に向いているのかも、といった感覚を、私はこういう映画の中から感じていたのです。でも、予想に反して私はかなりまともになった(自己比ですが)。それは家庭を持ち、人の親になったからです。親になったことで、私の人生は変わりました。とはいえ実のところ人生観はそう変わっていないのです。指向性としてどこかに残っている、といったことですけどね。

閑話休題

「おちょやん」にはこういった感覚がどこかにあるんですよね。根無し草の感覚。昔風に言えば「デラシネ」です。だからたまらなく魅力的に思えるんです。

表題の「楽しい冒険、続けよう!」は今日のおちょやんのセリフ。舞台劇の中でのアドリブのセリフですが、この一言こそ、このドラマのエッセンスだと思うんですよ。そして、私が共鳴するこの物語が思い描く人生に対する感覚も、この一言に収斂される気がするのです。

もともと杉咲花ちゃんは大好きなのですが、あらためてスゴイ役者さんだなぁと感動しております。しっかりと千代ちゃん。目の中の光がいつも強い。見ているだけで元気が出ます。
そして周りにいる女の人たちの魅力的なこと!みんな一生懸命生きてるんだなぁってのがわかるエピソードがたくさんある。ジーンときちゃう。
でもって、一平(成田凌)が物語に戻ってきてくるのを楽しみにしておりますwもーーメチャクチャかっこいいんですよぅ成田凌が。早く見たい!

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それにしてもこの身長差…私自身は身長差のある男の人は好きじゃないのだけど、物語的にはなんだかキュンとするのね。