【本日のSS】
お題：0014
「風鈴」
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宵闇に街の灯が輝きだす頃、彼はやって来た。
「お邪魔します。あ、これ。コンビニで買ってきたんだ」
冷えたビールの入った袋を手渡された。
「あ、ありがと！」
うーん。なんだか夫婦みたい。
くすぐったく思いながら、お決まりの言葉を言ってみる。
「先にお風呂に入る？それともお夕食にする？」
彼はネクタイを緩めながら
「風呂かな。…一緒に入ろ」
と言った。
え！
うわーちょっと待って！
一緒に？
え！いきなりキター！
え？どのタイミングで「一緒」に入るの？
先に脱ぐのどっち？
てか、洗ってあげたりしたほうがいいの？
え？
化粧直しは？腋毛剃りはどうすんの？
一気に頭がパニック状態だ。
大混乱。
付き合い始めて2週間。まだ男女の関係ではない。
今夜もしかして…とは思ってたけど、ああどうしよう。
焦る！
彼が近づいてきて耳元で囁いた
「お風呂、行こう」
午後7時の汗臭い背広の匂いがふわっと漂う。
開け放したベランダの窓で、夜風に吹かれた風鈴がちりんと鳴った。
（406文字）
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最後の風鈴、いい音出てるでしょｗ
