「ニューワールド」

なんだかここんとこ時代劇(?)を扱った映画ばかり観ているような気がします。
アイノン王の「ドラゴンハート」は10世紀でしょ、「恋の闇愛の光」では17世紀の王政復古時代、「タイムライン」では14世紀の百年戦争、で、本作では17世紀の大航海時代ですよ。(で、今日借りてきたDVDが「キンググダム・オブ・ヘブン」で十字軍の世界)
いろんな時代にデビシュがいて、嬉しくってたまりません。


それにしても、「なんでアンタはこんな映画に出てんのだ?」てな作品が多いデビシュですが、その筆頭はもしかしてこの作品かもしれません。
もう、ホントにミジメです。
出番は合計でも数秒といったところでしょう(いくらなんでも2分以上はあるか)。
しかもイヤ〜なヤツで、あっというまに簡単に殺されて終わりです。
ビジュアルも全然イケてません。
要するに「いる意味がない」ってやつです。



いや、どんな悪役でもしょーもない役でもデビシュはちゃんと見せてくれるよ。だから出てる意味はある。
でも、これはもう、意味を感じる間もないあっけなさ。
一応、名前がついた役で、本国では下層階級らしいのが名前を変えて上流のふりして新大陸でノシてこうとか考えてる卑しい人物らしいの。
そういうところを掘り下げていけばそれなりに伝わるものはあるわけだけど、全くどうでもいい勢いでスルー、みたいな感じなわけですよ。とりあえず、居てみただけーみたいな。
どうもこうも、ちょい役とはまさにこのこと。カメオか?みたいな。
そのくせクレジットがすごくいい場所にあるもんだからへんに期待さすんだよ。やめてくれ。
天才カメレオン俳優であるデビシュたるものがこんなどーでもいいちょい役作品のオファーを受ける気になった動機はいったいなんでしょう?
監督のファンだったから?
コスプレやってみたかったから?
シティに買った新居の購入費払うため?
うーん。わからんね。どれも違う気がする。
きっとデビシュには「動機」なんてないんだろうな。
正解はきっと「オファーが来たから」ってだけのような気がします。


デビシュを鑑賞するには著しく不本意ですが、この作品そのものは悪くない作品です。
ストーリーはディズニーなどでも有名な「ポカホンタス」の話。
すごく詩的できれいなポカホンタス・ストーリーに仕上がっておりました。
こだわりぬいた映像と無音の醸し出す深み。
新大陸の神秘的な自然と、そこに溶け合って生きるポカホンタスを丁寧に描いていて引き込まれます。
驟雨の匂い、肌触り、水藻のたゆたう様子、土のぬくもり、森の音。観ているとある種のトランス状態に陥るよう。
映画というより、イメージビデオみたいな感じもしますけどね。ポカホンタス・ヒーリング・ビデオ。
コリン・ファレルのアホヅラは、イマイチ清冽なポカホンタスの世界には馴染みませんが、まぁ、あれでいいんでしょう。