「スマホ脳」

昨今ブームのこの本、読みました。


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そりゃそうだよねぇ…という内容ですが、スマホの「何が」人の心に良くないか、というのが明確にわかり、その点ではいろいろな事にも応用できる気がします。
スマホの一番の害悪は、「常に気になってしまう」ところなのです。ほぼSNSの弊害ですね。
なぜ気になるのか、というのが詳しく書かれています。そして気にならないようにするにはどうしたらよいのか、も。

「不確かな結果」に対してドーパミンという「ごほうび」を出す、という人間の快楽の在り方を利用しているのがスマホの(SNSの)機能なのだそうです。
数十万年かけて進化してきた人間の脳の機能を利用できるように、巧い具合に計算されて作られている。膨大な広告収入を得るための手段として、人間を夢中にさせる装置を世に出したのです。それが人間をスポイルすると知りながら。なので、開発者たちは一様に、自分の子どもたちにはデジタル機器を使わせないようにして育てているのです。
こんなに身近で、誰もが使っている掌の上のデジタル機器が、底知れない怖い存在のように感じます。毅然とした態度で接していかないと、人生を乗っ取られてしまう。

大人よりも格段にやることが多い(体験としてやっておくべきことが多い)若い子たちにとっては特に、スマホとどう付き合ってゆくかというのは大きな課題だと思います。
先日、「東大王」の鈴木光ちゃん経験談を読んで驚きました。
なんと彼女は高校三年生の受験期にスマホを「解約」して手放したのだそうです。
どうせ制限をかけるのなら、無い方がすっきりする、という潔さ。この極端な振り切り具合がさすが光ちゃん!って感じでステキです。スマホごときに人生を左右されない。
こうしてデキる人間はさらに大きく成長してゆくのね。

高校生の我が息子もスマホとの付き合い方には慎重になっています。
今、ボクちゃんが実践しているのは、家に帰ったらスマホを居間の目に入らない定位置(部屋の隅の充電器が置いてある場所)に置いて、朝まで放置する、という方法です。帰宅後、翌朝まで一度もいじらない。
自分から言い出して決めたことですが、ラインなどに振り回されるのを以前から嫌がっていたので、家にいる間くらいはあえて遠ざけたくて、こうすることにしたようです。

まぁ、ボクちゃんはもともとスマホは持ち歩くのを忘れるほどの無頓着ぶりなんですけどね。どっちかというと、PCが使えなくなると困る派で、たいていのことをPCでやる。ややPC依存気味なのです。
そこに関しては環境で対応してます。常に居間にいる家族の視界に入るところで使わざるをえないような場所にPCを据え置いています。デスクトップなので自室には持ち込めない。なので、おのずと使う時間は(自主的に)制限がかかるようになって、自分なりにメリハリはつけられているような感じはします。
好きなPCを制限するのも可哀そうだという親心もあって、何も言わず放っておいてますが、わりと長々いじってる。むむむ、と思うこともありますが静観。(ゲラゲラ笑いながら見てるから絶対お笑いのYouTubeだな、とか想像しながら)何も言わず放っておいています。
PCに関する制限はひとつだけに決めているからです。
「成績が下がったら禁止」というシンプルなものです。
ボクちゃんの学校はテストの際に成績順位が発表されるのだけど、ある一定のラインから順位が落ちたら次のテストで順位が戻るまでPCは禁止、ということになってます。
わりと高いハードル設定にしてますが、今のところちゃんとクリアしているので、あとはもうご自由に、です。

スマホ脳」の内容からはちょっと遠い話になってしまいましたが、デジタル機器との付き合い方は試行錯誤の連続だということです。
私たちの育ってきた過程では存在しなかった問題に対処しなくてはならないのだから、戸惑うのは当然です。何しろ前例がないから正解もよくわからない。人類の進歩が速すぎて、まったくついていけてないなぁと感じます。
そんな中で、こうした研究は一助になります。いたずらに不安になる前に、まずは敵の正体を知れ、ですね。

 

スマホ脳(新潮新書)

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