私の「赤いノート」

久しぶりにキョーレツーに欲しいツールが出現。
昨日、購入に踏み切りました!これ↓



キングジムから出ているデジタルメモ「 pomeraポメラ)」です。
文庫サイズのワープロです。
単4電池2本で動き、たった2秒で起動するというのがチャームポイント。
どこでも思いついたときにキーボードでさっと文章が書けるという優れものなのよ。
ネットの口コミでもかなり評判が良いのですが、実際に動かしてみると必要な機能が揃っているのに手軽で快適です。
キーボードのピッチも私がいつも使っているパソコン(Panasonicの「Let's note」Rシリーズ)とほぼ同じなので、全くストレスありません。
PCだと文章を書いている途中、行き詰るとすぐにネットやったり、ゲームやったり、メール書いたりしちゃいますが、ここにはそんな寄り道ツールもゼロです。
それに、わからないことがあるとすぐにネットで調べられるというのも実は一見便利だけれど、文章を書くことに集中できない要因のひとつでもあるのです。
そういう便利さや多様性を一切排除して、ただひたすら書くことに徹することができる、というのがポメラの最大の魅力です。シンプル・イズ・ベスト。


まぁ、今のPCもかなり小型だし、実際いろんなところに持ち運んでは使っているので、なにも新たに「ワープロ」を買うこともないような気もしました。
でも、思い切ってツールを変えたら何か新しい展開が待っているかも?という浅はかな期待も拭えませんでした。
同じ腕なら竿が良ければ更に釣れるようになるし、ゴルフクラブが良ければもっと飛距離が伸びるってのと一緒ですよ!と(自分と家族を)うまく言いくるめて、購入しちゃいました。
なんというか、いわゆる先行投資です。これで目的のモノができない、ってのでは赤っ恥ーという、追い込み効果も期待しつつ(汗)。



ボディの色は全6色(シルバー、ホワイト、ブラック、レッド、オレンジ、ブルー)あります。
マイ・ラッキーカラーのオレンジにするか、限定カラーの赤にするかかなり悩んだのですが、赤に決めました。
それは、この機械が純粋に「ノート」に相当すると思ったからです。
今までも、思いついたことや虚構の構想や多種雑多な考察を書き留めておくノートは赤、と決めて使ってました。
これにはね、ちょっとしたこだわりがあるのです。
ポール・オースターのNY3部作に出てくる「赤いノート」を意識して、の事です。
赤いノートは「書くということ」の意味そのもの(ひいては自己存在そのもの)の象徴として物語に出現します。
小説の影響を受けてマネしてるなんてかなり単純だけども…そういうわけで、赤いノートブックとの間には、なんとなく親密な空気が生まれ、書くことに対するモチベーションが上がるような気がするのです。


とはいえ私はやはり何かを書くときはパソコンを使います。ノートはあくまでもメモや覚え書きにとどまっています。
手書きであることに文学性がある、という意見も十分理解しているつもりなので、文章を書くツールをノートとペンに移行しようと何度も試みましたが、やはりどうしてもキーボードに戻ってしまう。
ある時、気付きました。
私は、キーボードのリズムで文章を書くのが好きなのだ、と。
それが私の鼓動であり、音楽であり、言葉なのです。
紙と鉛筆ではうまく表現できないのです。
たかがツールですが、これが思いの他「書くこと」の本質に影響するのですから侮れません。


ポメラは私の理想にとても近いツールです。
キーボードと私だけが向かい合い共鳴してゆく時間は、それのみで私がモノを書く理由であるようにも感じるのですよ。
ポメラといろんなところに出かけてみようと思っています。楽しみ!