「豪門夜宴」に思うことなど

gicchaさんの「ろばみみblog」で紹介されていたのですが、「豪門夜宴」DVD化希望案が「たのみこむ」サイトに載っていて、かなり賛同者を増やしてるようです。

「豪門夜宴」!!

その名を聞いた途端に、なにか懐かしくも熱いものが体を駆け抜けましたとも!わらわらと!
思えばこれ、もしかして私にとっての香港映画ナンバーワンムービー…と、その昔仲間に告白したら、「そりゃ、本誌でなくて付録が好き、みたいな感じだね」と言われたのを鮮明に覚えています。
本誌より付録が豪華ってのはよくある話だけども。でも、本誌を知らないと付録は楽しめなかったり。
これって例えばお正月のかくし芸大会みたいでしたよね…そこに出てる芸能人を知ってれば知ってるほど楽しめる。ゆえに初心者さんにはちょっとその真価がわかりにくいものだったりしそうで。(真価つったって、要するに映画の出来不出来では全然ないところがミソ(爆))

香港芸能を好きになってしばらくしてからこの映画の存在を知ったときのヨロコビたるや、言葉になりませんでした。
あまりにも豪華で、楽しくて、嬉しくて。ある種、バイブルでしたねぇ。ここに出てるオールスターの顔と名前が一致しないようではまだまだ「香港明星迷」として未熟!みたいな。
今では自分でも信じられないけど、私もかつては立派に「マニア」だったんだなぁーというのをふっ、と思い出しました。誰か個人のファンというだけでなくて(もちろんきっかけはそれですが)、香港芸能全般が好きで、知りたい観たいで一生懸命だった頃があった。

楽しかったなぁ。
もう、こんなに何かのマニアになることなんて一生ないかも知れない(そうでなかったら嬉しいですが)。
私はここに出てくる學友と偉仔のコンビネーションがとーてーも好きです。
ボケてるのに要領がいい學友と、神経質なのに間抜けな偉仔。もう、これこそが私の思い描くお二人のデフォルト(笑)。
「亜飛&亜基」では學友が女々しすぎたし、「ワイルドブリット」では學友が惨めすぎたし、「楽園の瑕」では接点なさすぎたし、「欲望の翼」ではもっと以下同文。ということで、二人の共演作(?)つったら「豪門夜宴」!できまりです。しかもビジュアル的にも學友は一番カックイイ頃です(もっとカッコいいのはこの前年!)。

 


今でも、暑い暑い夏の午後にベランダに出ると、動かない青空の向こうから空耳のように飛行機の音が聞えてくる。
かすかにコリアンダーと干しエビの香りがしてくる気がする。
フィリピン人と韓国人に囲まれた雑居ビルで、遠い香港の雑踏に憧れながら、一日中広東語の流れるTVを見ながら過ごした日々を思い出す。
とても遠い記憶。

 

もうあの場所はどこにもない。あるのは記憶だけ。
でも、記憶は案外たくましいんですね。すっかり遠ざかってしまったと思っていたのに、昔の「萌え心」は忠実に思い出すことができるんだもの。そして、好きだった作品はこうしてフッと無性に観たくなったりするし。

でも、すでに完結している想いにはノスタルジーしかない。ノスタルジー萌え。それはタイムリーな気持ちよりも思い出を抱えちゃっている分、センチメンタルに感じますね。

なんだか不思議。人生って夢のよう。