「On Ken's Time」/朱孝天

先月、姉貴(現地新譜発売記念サイン会でCDをオトナ買いしてきたヒト(爆))からもらった朱孝天(ケン・チュウ)のソロデビューアルバムです。

F4のなかでも最後までソロアルバムを出さなかったし、結構音楽的にもこだわりがあるタイプだということで期待されて待ち望まれていたアルバムらしい。

 

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箱を開けてみると…ほら見てー直筆サイン入り♪
ってのは置いといて。
封入ブックレットが3つ。

歌詞シート、ケンチュウのプチ写真集、ケンチュウ撮影のフォトブック「朱孝天 [眼裡的世界] 攝影作品輯」。このフォトブックは旅先の風景などを写したもので、ご本人はいっこも写ってません。でも、彼のファンだったら彼が撮影したというだけで風景も楽しめるんではないでしょうか。

なかなかスタンダードな装丁(オマケ)です。

以下感想を書きますが、自分の好きなものを批判されたりするのが苦手な人は読まないでください。お願いします。単に私の感じたことを書いてるだけなので念のため。


アルバム全体を聴いた感想は大まかに言うと3つ。

1、ケンチュウの歌は上手い

2、メロディも堅実でなかなかイイ

3、でもアレンジがゲロダサ

…ですかね。

私は音楽に関してはとてもキャパシティが狭くて、自分が好きで聴く音楽以外はたいてい粗(あら)ばかり拾ってしまい、感想なんつってもキツイこと言う羽目になることが多いのですが、それでもこのアルバムは私としては珍しく馴染めたほうです。
発売元がSONYだってのも聴く前に大いなる不安を感じましたが(中華圏のミュージシャンの場合、レコード会社による特色付けは顕著で、私の場合はSONY系列の歌手で好きな人は滅多にいない為)、それはあまり関係なかったかな。

基本的に楽曲全体が台湾のミュージックシーンのスタンダードなものを根底にもっていて、手堅い印象を受けました。
フォークロックで統一されていたし、曲調としては好きなものばかり。でもどうしてもアレンジが微妙(=センスなし)で、残念!って感じ。
アレンジさえ改良されれば格段にステキになるのに!と言える(気もする)。ハシにもボーにもかからないという感じではなくって…だからわりと今後が楽しみ、だと思います。

ということで、各曲に関して。

01. 永不停止

ケンチュウが歌ってるのって、私は阿嶽の「自由」のカバーしか聴いたことがないので、この曲がケンチュウのオリジナルを聴いた初めて、でした。
「おお!なかなかいいじゃん」と感じました。歌声とメロディはすごくいいです。アレンジは難アリだと思いますが、許せる範囲。それよりも華があることを喜びたい曲です。1曲目がこれで大正解です。

02. 可是我

続くこの曲もあっさりしててなかなかです。でも編曲に大いに難アリです。ピアノのメロディが主張しまくりでダサくてウザすぎです。

03. La La La

もう、聴くなり「五月天だ!」って曲。若者っぽい明るいビートに富んでて楽しい曲です。アイドルなんだからこういう曲もなくっちゃですね。

04. 一個好人

うわー、台湾popsの王道だなぁ~(いい意味で)と思ったら、作ったのはホンミン(游鴻明)ですね。
この曲はかなり好きです。新味はあまりありませんが、安心して聴けます。

05. 黒白

作詞をケンチュウがしてる。モチーフは、彼の永遠のアイドル、オードリー・ヘプバーンだそうです。なんつか…気の抜けた曲ですが、そのくせ演出が過剰。煩いまでのストリングスの挿入や無駄な遊びの音の多さ、それと音色に関してごちゃごちゃと無計画っぽいところがどうにも頓珍漢です。作ってる人間(アレンジャー)の「わかってなさ」加減が露出してます。

06. 中計

可もなく不可もなく、な感じ。印象も薄いが違和感も少ないです。ヘンなエフェクターを使って音がボワンボワンしてるところがちょっと気持ち悪いですが。

07. sha情人

やー。やっぱ出色にイイですねぇーうばい兄貴は。ちょっと泥臭くて、メロディアスで…と思いながら聴いていると、そのうち「あれ?あれれ?なんじゃこりゃー(汗)」となる。このピアノはいったい…?ウーバイで始まったはずがリチャードクレーダーマンで終わる、みたいなトンデモぶり。ウーバイどこいっちゃった?みたいな。妙な曲です。作詞は陶子だそうで。ますます妙です(笑)。

08. 復活

ビビスーが作詞して、ケンチュウが作曲した曲。イイ曲!ケンちゃん才能ありますねぇ。あっさりしてますがせつなくて胸にぐっとくるようなメロディラインです。
こりゃファンはたまらないだろうなぁ。これからもどんどん曲を作ってほしいですね。けどあの終わり方はちょっと…?

09. 領悟

蔡健雅(タニヤ)作。タニヤは上手いんですよねぇ。欧風で洗練されている。この曲もすごく上手い。お洒落です。
曲の展開も、閉じて広がってまた閉じて…みたいなドラマティックな造り。どこ出しても恥ずかしくないイイ曲だと思います。これがラストソングだったら、余韻も残って良かったのになー。

10. 帯我離開

陳珊[女尼](サンディ・チェン)作。あのぅ…どうしても退屈です。最後にこんな曲聴きたくない感じ。ケンチュウが歌いたいと思ってるとも思えない感じ(爆)。
サンディ・チェンは一応「大物」ですが、私はどうしても彼女の曲をいいと思ったことがないので、たぶんこれって好みの問題なんでしょうね。

 

まとめ。

ケンチュウは歌手としての素質はしっかりあると思います。
で、路線もこれでいいのだと思います。
今回難点だと思った点も、レコード会社を移籍して例えばロックレコード系列とかに入ればすぐに問題解決し、この先安泰かも…なんて思います。ロックレコード自体が安泰ではないかもしれませんが(爆)、フォークロックは十八番ですし、アレンジャーはいい人材(つか私好みなだけ?)が揃ってますので。

 

ON KEN’S TIME(初回生産限定盤)(DVD付)

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