「アメリカン・サマー・ストーリー~アメリカン・パイ2」

前作を超えた完成度。それぞれがみな愛らしい、カワイイ作品。

アメリカン・サマー・ストーリー (字幕版)

アメリカン・サマー・ストーリー (字幕版)

  • 発売日: 2014/02/01
  • メディア: Prime Video
 

 あああぁぁぁ~良かったっ!見てよかったっ(感涙)。
このシリーズ、見事にハマっちゃいました。今年、一番「見てよかった」映画かも!って、まだ今年も半年ほど残ってますが(笑)。
ちなみにこの映画の公開年は2002年ですよ。私は後追いでDVDにて見てます念のため。

 

高校卒業前にどうにか童貞を捨てられた「アメパイ」から1年後。
ジム、オズ、ケビン、フィンチの仲良し4人組&エロバカガキ大将スティフラー&お馴染みの面々は大学生になって初めての夏休みで懐かしい町に帰省してきた。彼らは最高のひと夏の思い出を作るために、ビーチハウスを借りて過ごすことを計画する。そこでパーティーを開き、女の子とイイ感じになるのだ!
と、まぁ、ひとことで言っちゃえば「2」はそんな感じの概要なんですが、この言葉どおりの心理状態であるのはスティフラーただ一人で、他の面々はそれぞれにちょっとずつオトナへの階段を昇るべくさまざまな局面に出会って経験を深めてゆく、という話になってます。「ヤりたい」ってだけの情熱から一歩進んで人生について考えるお年頃に(笑)。

別れた彼女と友達に戻ることに戸惑うケビン、先のない相手とのSEXに期待しすぎて哲学の域にまでイっちゃってるフィンチ、とにかくヤらしいことしたいアニマルなスティフラー、遠距離恋愛の難しさに果敢に立ち向かう「一穴主義」のオズ…でもって今回はなんと!主人公のジムが恋をするんですよん♪これが一番の見どころ!
ってことで、この作品は前回よりもバリバリのラブストーリーなのら!しかも、笑えるエロ・パワーも強力に健在。ついでにジムのパパも絶好調。

前回はアップルパイでオナってヘマしたジムですが、今回はもーーっと笑えるドジ踏みます。すごいモンでオナってくれます(爆)。
もうね、こんな可笑しいエピソードってないよ。笑いすぎて呼吸困難になりそうだった。
必見。大必見。
荒唐無稽なネタなんだけど、ジムがやるとリアルなんだからスゴイ。素晴らしいキャラの立ち方!
この調子でパート3も4も作って欲しいなぁ~。期待しちゃうなぁ。でもそうなるとジム役のジェイソン・ビッグズは完全にこの役から抜けられなくなる怖れもアリ?そのくらい完璧にジムなんだよねぇ。

前回はどいつもこいつもモテなそうな雰囲気だったのが、一年経ったら(というか、コッチが彼らに愛着をおぼえたせいかもしれないけど)どの子もイカしてんの。
絶対にお断りのタイプだなーって思ってたジムもすごーくすごーく可愛く見えちゃうし(かなりファンになってしまった(^^;;))、ヌケ作臭いなぁーと思ってたオズだって、ちょっと惚れちゃいそうなほど格好良くて。ケビンのセンチな表情も母性本能くすぐられるし、悪ガキのスティフラーもめちゃパワーアップしてて、キャラは最高。今回はスティフラーなくば語れないアホ・シーンが満載でした。そのかわり前回まとめ役だったケビンがちょっとパワーダウンしちゃったんだけど、それもストーリー的に大事なパワーダウンなんですよね~。
とにかく深いのよー。エロとバカを描きながら、深い。と思うアタシが浅いのかもしれんが(爆)。

 

去り行く夏に、青春の光と影が交叉する。その美しい光の中でケビンは言うんだよ。
「何もかも昔どおりだと思ってた。でも、僕だけが進んでなかったんだ。」とね。
このシーンなんか、ちょっと「アメリカン・グラフィティ」の雰囲気だったね。
卒業した高校に戻ってロッカーを開けようと思うのだけど、もう番号が違ってて開かない…とか、同じエピソードもありますし。
人が進む速度は様々。いくら仲のいい友人同士だってそれは違う。進む道も、体験する事柄も、どんどん違ってゆく中で、それぞれの道を自分で見つけてゆく。
(ああ、そうか、そうなんだな…)と。初めてそんなことを思う夏。それが19歳の夏なのかもね。この辺の描写はごくありきたりなのになぜか胸キュンで泣けちゃう。

「この映画であらわしているのは人生の中にある純真さ愉快さ」
と、監督は語っていますが、私ね、これ(「2」の方ね)見て気づいたの。この映画ってね、すっごいシモネタ満載なんだけど全然下品じゃないんですよね。なんていうかなぁ…そこはかとなく、品がある(笑)。扇情的でないし、屈折していないし、陰にこもってない。たぶん製作側の人間性が善良(というか真の意味で朗らか)なんだと思う。
だからもう、心置きなく笑える。幸せな気分になれる。
その、微妙に、でも絶対的に健全な感覚、ってのがとても心地良いのです。たぶんこれはまた私自身の傾向なのかもしれない。こういうものが好き、っていうのは「ダサい」と言われようが「田舎モン」と言われようが、たぶんずっと変わらないんだろうと思う。
声を出して大笑いして、胸がキュンとなってウルウルしちゃう。もう、可愛くて可愛くてたまらない作品です。んもー大好き。

ちなみに私が一番心に残った言葉は、SEX指南の最中にミシェルがジムにいう言葉。

「大事なのは、どんな状況でも気楽でいることよ。」

この世を「心安き場所」と思えるヒトはきっと幸せだ、と思う。
気楽に、ね。自然に。心穏やかにぐるーりと周りを見る目をもつこと。余裕の笑みを浮かべられること。
そういう「comfortable」な気持ちが、佳き人生を運ぶ種だ、と。この映画を見てるとそんなことを思うんですよねアタシ。そんなことまで思っていい映画なのだろうかこれ(笑)。エロコメなんだけどね。こんなに絶賛して、人格疑われたりしたらどうしよう。
とにかくご興味のある方は「アメパイ」(パート1)から順番に見るように!1と2で、ひとつの作品です。で、きっと3ができても4ができても、それら全部でひとつの作品なんだろうと思う。