ただ今、明にいます。

「明」とは「あきら」ではなくて、「みん」。中国の大明国のことです。
数日前から中国ドラマ『大明皇妃』にハマっています。

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主演の湯唯(タン・ウェイ)が目的で、軽い気持ちで見始めたのだけど、あっという間にドラマの世界に夢中になりました。めちゃくちゃ寝不足になりながら、時間の許す限りどっぷりと浸かる日々。夜毎「明」へとタイムトラベルしています。


舞台となっているのは三代目の永楽帝から洪煕帝、宣徳帝を経て正統帝、景泰帝、天順帝へと至る時代。宣徳帝の皇后になった孫若微の一代記です。

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明は朱元璋が紅巾の乱によって建てた国。これが初代皇帝・洪武帝です。洪武帝は長子を皇太子としますが夭折したので、その子(洪武帝の孫)が二代目の建文帝となるのですが、洪武帝の息子たちから不満が起こり、内乱(靖難の変)となり、建文帝は国を奪われ、帝位を奪った永楽帝が新皇帝として立ったのです。
このドラマの主人公・孫若微は靖難の変により殺戮された側の「靖難の遺児」です。要するに、朝廷は敵方。朝廷への復讐に燃える孫若微と、永楽帝の孫であり、のちの宣徳帝となる皇太孫・朱瞻基の宿命のめぐり逢いが前半の核となっています。そこに実の妹との数奇な運命や、永楽帝の息子たちの権力闘争、後宮の愛憎など、愛と戦いと陰謀が盛りだくさん。手に汗握る面白さにぐいぐい引き込まれました。
すっごくお金のかかった映像も見どころです。
戦闘シーンの壮大さは一見の価値あり。豪華な衣装や装飾品も素晴らしい。個人的には大好きな紫禁城が存分に見られるのも至福です。(アジア最大級の3万平米の広大なセットなんだそうですよ!)


フィクションを織り交ぜながらも史実に沿った史劇なので、物語の大まかな結末はわかっていますが、私の場合は、いわゆる「ネタばれ」が多少あったほうが安心してハマれるので、10話くらいまで見た時点で(最高潮にハマってる時に)、明の歴史をおさらいしました。おかげで自分の中で登場人物たちがより一層、血肉をもって動いてくれた気がします。

全74話で(ユーネクストの配分。DVDでは全63話らしい)、今日見てるのが55話です。
最初は「長いなぁ」と思っていた物語も、半分も行くと「ああ…あと〇話しかない…」と、終わってしまうのが惜しくなってくる。でもどんどん先を見たいしで、アワアワしました(嬉しいアワアワですよ)。


…が!

43話でメイン(私の中で勝手にメインになってるだけか)の宣徳帝が崩御してから、「え?これ同じドラマですか?」ってくらい一気に面白くなくなったのには驚きました。このトーンダウンは想定外だった。テンションが下がり、日々の楽しみも急速にしぼんだ気が無きにしも非ずです。

大明国の名を支えてきた君主が次々と去り、今やバカ息子(正統帝)の幼稚な生きざまが延々と続くのです。見てるのが心底ツライ。あの聡明な二人の間に生まれた息子がなぜこんなに暗愚なのか…と思うと、もう、なんというか、夢もロマンも無いわねぇ。
前半部分はほんとにもうめちゃくちゃ面白くて、毎日

「頭の中は常に明(みん)」

って感じだったんだけどなぁ。今ちょっとリタイア寸前。当初の目的「タン・ウェイが見たい」の心に返り、どうにか続けて見ている状態です。バカ息子にはイライラしますが、タン・ウェイの凛々しさは母親になっても変わらずカッコいいので惚れ惚れします。子育てに苦労してる姿を見るのは楽しいものではないけども。


…って、これ、きっと朱瞻基(宣徳帝)ロスなんだろうなぁ。とっくに亡くなってしまった瞻基のことばかり考えちゃってます。この人のいない「のちの世」に、何か魅力があるのだろうか?って思ってしまうくらい、朱瞻基(宣徳帝)はこのドラマの中で、ワタシ的には一番魅力的なキャラでした。
演じてるのは朱亜文(ジュー・ヤーウェン)。今まで知らなかった役者さんです。

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この人、凄い巧いんだよ。ビジュアルとかも一見、ジャンポケの太田みたいな感じで全然好みじゃないんだけど、妙に惹かれる。そこはかとなく色っぽくてドキドキするの。キャラ萌えですけど、そういうの出せるも役者の力量、でしょう。
このドラマは恋愛温度がものすごく低くて、非常に残念な部分があるのだけれど、彼の演技は抑制の中にでこそ醸される、低温熟成の旨味がありました。あからさまに甘いラブ史劇よりずっと萌える。ガッツリ体を動かす戦いのシーンなんかもめちゃくちゃカッコいいです。
他の出演作も見てみたいなぁ…と思ったら、映画『黄金時代』でタン・ウェイと共演してるのね。(しかも監督、アン・ホイだ!好き!)これ、見たいよー!めっちゃ見たい!

 

紹介Vを貼っておきます。


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