太宰治賞2021

先頃出たばかりの、今年の太宰治賞のムックを買いました。

 ここには大賞を獲った作品とともに最終候補作品も載っています。
前年のムックも読みましたが、ここ2年続けて大賞のモチーフが「妊娠、出産、母」にまつわるものでした。候補作に私小説っぽいのやファンタジー風の作品が残る傾向なども、うっすら感じ取れるような。
傾向と対策めいたことをする気は無いですが、受賞作と最終候補作の本編が全部読めることで、この賞が求めている作品の面差しのようなもの浮かび上がってくるのは、なかなか得難いことです。とても親切な賞だという気がします。
そして毎年、作品のレベルがとても高い!力のある新人さんが送ってくる賞、って感じ。最近は勉強のために他の文芸誌の新人賞の作品もよく読むようになりましたが、比較してもここは断トツで上手い人が多い。
ムックでレベルの高い作品を読めば、次はそこを超えようと頑張った人たちが応募してくるでしょうから、さらに熾烈な闘いになる。強者揃いの中に踏み込むのは勇気が要りますが、”この賞に送って最終まで残れば作品が書店に並ぶ!”というのは何より応募者のモチベーションになります。魅力的。
私も、ここに載りたいがゆえに、次回は作品を出してみようと(ビビりながら)密かに計画を立てております。