香りの履歴書

香りというのは記憶や心の在り方に直結します。使っていた香水の匂いで、その時々の出来事や想いを思い出したりする。香りそのものが立派に「思い出」なんですよね。
ふと、自分の”香りの履歴書”を書いておきたいと思い立ちました。(身の回りの好きな匂いではなく、人工的な香りに特化したものです)

私が最初に好きになったのが資生堂の「禅」という香水。小学生の頃でした。母の買い物のついでに資生堂のカウンターでムエットを作ってもらい、それを栞として大切に使っていました。ちなみに当時の母のお気に入りはゲランの「夜間飛行」。今でも「夜間飛行」の香りに触れると、身ぎれいにして出かける母の姿が浮かびます。
中学生の頃、一番印象的だったのは「香り付きボールペン」の匂いです。大好きだったのはフリージアの香り。色はなぜか紫色だった。もう、好きすぎて手放せませんでした。以来、花の香りで一番好きなのは今でもフリージアです。
高校生になってからハマったのがムスクと青リンゴをミックスした香り。スティック状のフレグランスで(何度も買ったけどメーカーは覚えてない。ファンシーショップみたいなところで売っている安い物)、いつもそれを手首と首筋につけてました。ちょっと不良っぽくて魅力的な香りだったなぁ。
二十歳くらいの時、資生堂の「バラ園」というシリーズにハマりました。シャンプー、リンス、香水を全部このシリーズで揃えていました。
そのちょっと後に夢中になったのが、お香です。鳩居堂松栄堂などのお店へ行ったり、各地のお寺のお線香を集めました。中でも中宮寺の山吹香というのが大好きでした。匂い袋を持ち歩いてました。大学に下駄で通ったりして、ちょっと和の物に憧れていた。
社会人になって、表参道の店でジバンシーのプチサンボンに一目惚れ。しばらくは毎日これでした。その後、1人好きな人(といってもスターだけど)ができると、その間は同じ香水を使うようになりました。こうするとその香水の匂いとスターの面影が重なってイメージが膨らむんですよ。だからあえて香りを決めて、一定期間ずっとそれをつけてました。おかげで今でもこれらの香りでその時好きだった人への”思い”を思い出します。好きだった人そのものではなく、私の当時の思いが蘇るの。

 

ダニー(ダン・エイクロイド)に夢中だった時はブルジョワの「ソワール・ド・パリ」
チャス(チャーリー・チャップリン)が好きだった時はゲランの「ミツコ」
偉仔(トニー・レオン)の時は蜂花檀香石鹸
阿嶽張震嶽)はエスティローダーの化粧水「ソフトクリーン」
ボロジャ(ウラジミール・アシュケナージ)はランバンの「エクラ ドゥ アルページュ」

 

今でもこれらの香りに触れると、瞬時にその人を思い出します。香りと記憶が強烈なイコールでつながっている。記憶がドーー―ッとすごい勢いで戻ってくるのです。
今は特に夢中な人もいないし、香りも2種類を使い分けてます。
今まで数年、ずっと愛用してたのがヴェルサーチの「ヴェルセンス」。とにかくずっと好きで長いこと使ってきたので、この香りに包まれると無条件でリラックスします。自分に戻ったような気持ちになる。いわば”私の香り”ですね。
最近、ちょっと気分を変えたくて…というよりも、ヴェルセンスは基本、夏の香りなので、冬用の香りが欲しくて、香り探しをした結果、ディオールの「ディオリッシモ」を選んでみました。今は毎日これを使っています。


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ヴェルセンス、ほぼ無い状態ですが。夏が近づいたらまたこれを買います。


香水選びに利用したのが、無料でムエットを送ってもらえるサイトです。
私が使ったのはここ。

www.celes-perfume.com

送料500円はかかりますが、4種類まで無料です。気になっていても香りが試せなかった香水がどんなもんか試せるのですごく便利。
ここで取り寄せたムエットで、ロジェガレの「ジンジャー」とどっちにしようか悩みぬいて「ディオリッシモ」に決めました。