川井郁子ヴァイオリンコンサート2009


郁子さんのコンサートに行ってきました。
とても暑い日。
でも、会場はとても爽やかで別空間でした。気持ちよかった!
郁子さんは徹底して高いプロ意識を持つと同時に、すごく自由でクリエイティブな音楽活動をしてらっしゃる方です。
ヴァイオリニストなんですが、クラシックというわけではないんですよね。ジャズでもない。というか、そういったジャンルにとらわれない音楽家です。
ホントに、こんなしなやかに表現するヴァイオリニストは他に知りません。


郁子さんの作る曲は、私のシュミに合うんです。
どこか懐かしい東洋風味のあるメロディアスな曲が多いの。そして、胡弓にも似た音色でそれを奏でてくれるのです。ちょっとオリエンタルなんですよね。そこがまたクロスオーヴァーっぽかったりもして、持ち幅が広い感じ。


今回のコンサートも半分以上が郁子さんの自作曲でした。それと、ピアソラをはじめとするタンゴの名曲。
ピアソラは、郁子さんにとって忘れられない存在なんだそうです。
かつてクラシック音楽をやっていた頃、彼女は「このままでいいのだろうか?このまま音楽を続けてどうするのだろう?」と悩んでいた時期があったそうです。
そんな時、ピアソラの音楽に出会い、その自由さや表現の豊かさに衝撃を受けたのだそうです。
「音楽で自己表現してもいいのだ」
と、その時はじめて気がついたのだそうです。その思いが今の彼女の自由奔放で溌剌とした創作活動に通じるのです。
クラ界を見ていると、時々、息が詰まることがあります。古い楽譜の世界から、出られない不自由さというか。
いや、それがクラシック音楽の前提であるのでそこに疑問をもっては元も子もないんですけど…
でも、音楽家の本能ってものを解放したくなる人が出てきたって不思議じゃないなぁとは思います。そういう人はあまり見かけませんが。やはり自己表現の道は険しいってことでしょうかね。


郁子さんはビジュアルや生き方、人生観も含めたトータルなイメージ戦略も絡めて自己プロデュースする能力に長けてますが、こんな器用な人はクラ界にはまずいないわな〜。
だってタンゴ踊りながらヴァイオリン弾きますからね!カッコいいんですよ〜。
ヴァイオリニストにありがちなヘン顔もなしです。
徹底してキレイ。ばっちりキメる。もちろん演奏も素晴らしい!
前半は青いドレス、後半は赤いスリットの入ったドレス…と、休憩を挟んで衣装変えもありました。
ドレスには体のラインがバッチリでてるし、胸元は深く開いてるしで、めっちゃセクシー。さすが!って感じでした。
アンコールの「浜辺の歌」では、思わず涙がポロポロッとこぼれてしまいました。この歌にまつわるエピソード(亡くなったお父様との思い出)で泣かされたともいえますが(^^;;)。なんにせよ、演出上手な方です。
クラシックとは違って、聴きやすいオリジナル曲を演奏なさってますので、POPS好きの方などにもおススメです。



終演後、サインと握手をしていただきました。
ファンの一人一人とちゃんと目を見て会話してくれる優しい方であります(*´∀`)

曲目


リベル・タンゴ(ピアソラ
サマータイムガーシュイン
水百景川井郁子
パッション・イン・ブルー(川井郁子
今日できたばかりのほやほやの新曲(川井郁子
エスクアロ(ピアソラ
愛の挨拶(エルガー
ホワイト・レジェンド(「白鳥の湖」より)(チャイコフスキー/アレンジ:川井郁子
風が運ぶララバイ(川井郁子
ゴールデン・ドーン(川井郁子
エル・チョクロ(ヴィジョルド)
ラ・クンパルシータ(ロドリゲス)
チャルダッシュ(モンティ)
アンコール:浜辺の歌(成田為三)


共演:フェビアン・レザ・パネ(ピアノ)
於:平成21年6月27日(土)栃木県総合文化センター