「天晴れカレーパン」

 

天晴れカレーパン

天晴れカレーパン

 

 石坂浩二・著(主婦の友社
最近のあんたの話題はどうして…という感じで恐縮ですが(笑)。
この本は兵ちゃんがパーソナリティとして担当していたラジオ番組で何かの拍子に「カレーパンが好き」と告白したところ、リスナーからの反響がすごくて(「私もカレーパンが好きです」という反応ね)、やがてカレーパン愛好会みたいな盛り上がりになったものを、一冊の本にまとめたものです。ってなわけで全編これでもかのカレーパン談義。84年刊。うわ。20年も前じゃん!

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c:主婦の友社
嬉々としてカレーパンを語るへーちゃん。ピンボケ御免。
ラジオのリスナーからのカレーパン話、カレーパンの作り方、工場見学、兵ちゃんの語るカレーパンの思い出、玉村豊男林真理子との対談、タレントさんたちの「私とカレーパン」についての一言など載ってます(ここでビートたけしが「こないだ自分で作った。」とか言ってるので「すっげー」と驚いたのですが、そのカレーパンとはパンをちぎってカレーを入れて揚げたという…単なるネタでした(笑))
林真理子との対談は、もーあからさまに林真理子の野暮ったさ(ウリでもありますが)が出てて笑えました。兵ちゃんの育ちがイイ、ってだけで彼女はもうそっちばっかり気になっちゃうのね。カレーパンじゃなく。「ご実家は?」「田園調布です」で激しく動揺、みたいな。
で、実際問題として「カレーパンを好き、という石坂浩二」は、「意外に庶民的ね」ってな感想をもたれつつも、その実ものすごく潜在的スノッブなのだということがわかる。そのこだわりの持ち方というのは、B級であっても立派にグルメであり、カレーパンに孤独で個人主義的な精神性を見出すあたりはもう単なる食べ物に対する嗜好の範疇を超えてるのです。というわけで、破綻無く兵ちゃんワールド。

「愛することは、こだわることだと思います。そして何かを愛せない人は、何ものも愛せないのです。」by 石坂浩二
なるほど名言なり。こうしてあらゆる食文化を愛する兵ちゃんがある、と。

実は私はこの本、古書店で買ったのですが(絶版なので)、サイン本なんですよねぇ。ぐふ。前所持者の名前(○○さん江、っての)が入ってるので別にどうってことも無いんですが…ああ、この本は一度は兵ちゃんの手に触れたのね!と思うとなんかささやかにトクした感じもなきにしもあらず。