遊園地にて



一本の樹は
歴史でなくて
思い出である


一羽の鳥は
記憶でなく
愛である


一人の誕生は
経験でなく
物語である


私は
それらのあいだを旅しながら
大人になってゆくのだろう


寺山修司(世界の一ばん遠い土地へ)