ネルロの愛したルーベンスを観に

地元美術館に「バロックロココの巨匠 天才たちの競演」展を見に行きました。
展示画家はルーベンスレンブラントロイスダールブーシェなどなど。

正直なところこの時代の絵画というのは私はどうも…(汗)。
神話や聖書の世界のお話をモチーフにした作品が多いので、そういう点(物語の挿絵的なというか、演劇的なというか)では楽しめるのですが、絵画的な感動っていうのはイマイチ感じられないんですよねぇ。
どうもね、ルネッサンス期のものより退化しているような気がしてならないんですよ…人物の描き方とか、場面構成とかが、ちょっとキマってない、みたいな。ま、そう感じるのも趣味の問題かと思うのですが。

とはいえ、ルーベンスが地元に来ているのに見に行かないなんていうお大尽なことなどもまたできかねるんで(笑)、これはやはり絶対見に行かねば、と思ったわけ。
(「フランダースの犬」の)ネルロがあれだけ見たがったルーベンスがすぐ見られる場所にあるのに見ないなんて!と。

実際、ルーベンスを目の前にすると、「生きるのにツラかったネルロにとって、ルーベンスがどれだけ救いになったことだろう…」なんてなことを思うほど、その作品には暖かく寄り添ってくれるような神の姿が感じられるのでした。
というか、この時代の絵画はそういう(キリスト教世界を全うするための)プロパガンダとしての側面が大きな役割というか、存在理由なので、宗教的な親しみってのがにじみでるような作風になってて当然なんでしょうけど。

ちなみにレンブラントは一枚だけだったように思います。でも圧倒的な存在感でしたね。
レンブラントはこん中でもちょっと近代の香りがする。闇の中からわずかな光を頼りに、こちらをじっと見つめているような…そんなところが。

今後の巡回は盛岡市民文化ホール熊本県立美術館→静岡アートギャラリー→福岡県立美術館だそうです。