「藤田嗣治「異邦人」の生涯」

 

藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫)

藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫)

  • 作者:近藤 史人
  • 発売日: 2006/01/13
  • メディア: 文庫
 

 

これ、出たてに本屋にちょこんと並んでたのを発見して飛びつくように読んだんですが、今日見たらドッと平積みになってました。うひゃ!なんで?と思って帯を見たら「第34回大宅壮一ノンフィクション賞受賞」だって。版も5刷にもなってる。あらぁ~。良かったです本当に(^-^)。これ、素晴らしい評伝だったので。

エコルド・パリの巨匠:フジタはフランスでは超有名な日本人画家ですが、本国日本では評価が不当に低い人です。この評伝は今までのフジタ像を一新させるのに多大な貢献をすると思うし、身内とのコラボレの点などからも、今後は絶対に出ないであろう集大成的な内容。誤解ばかりを受けて長年無視されてきた天才の真の姿を丁寧に掬い取ろうという作者のココロが嬉しいです。
私は高校時代、フジタが日本人で一番好きな画家だったんですが、そんな私でさえ、彼の性格や画業に対する姿勢を正しい方向で把握していなかったなぁ…と、この本で初めて知った。