「大魔術師」


大魔術師“X

大魔術師“X"のダブル・トリック スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]


日本版DVDでは「大魔術師"X"のダブル・トリック」っていう…明らかに3流映画確定の邦題になってます。
一言でいうとコメディ映画ですね。
恋愛とかアクションとか手品とか絡めてはいるんですけど、まぁまぁ(笑)そこは大雑把にくくっていいかと。ストーリーも一見まともそうだけどグダグダ。
いわゆる正月映画です。めでたきゃいいわ、的な。
実際、画面はすごくキレイですし、演出も華やかでドラマティック。
呉彦祖方中信もマヌケなドタバタで賑やかしておりますし、おお!ツイ・ハークまで出てるやん〜という新春かくし芸大会仕様で楽しいです。
一番のかくし芸が偉仔の手品だね!
偉仔の手品シーンを見るのが私の一番の楽しみでしたが、大満足でありました。
こーれーはねーー素敵ですよ!!手品シーンはどれも期待を裏切らない完成度でした。
お見事なマジシャンぶりにホレボレします。
「偉仔がマジシャンになる」ってだけでもうね、ドキドキしちゃうよ。
あの不器用そうな人がやるからこそ魅力的なの。予想してない動きを見られるから新鮮なんですよ。
中でも一番萌えたのが手品の小道具を準備してるシーン。
火薬を調合したり、仕込みをしたり…っていうね。
ポイントは滑らかでマニアックな指の動き、でしょうか。
「冷火」を扱う手つきも素晴らしく色っぽかったなぁ。
かつて「欲望の翼」で見せたあの伝説のラストシーン(爪を磨き、煙草、コイン、札束、トランプ…と次々ポケットに入れてゆくあの仕草!)に通じる、しびれるようなカッコよさでしたよ。
……ってのも、私はもし男に生まれて独身だったらギャンブラーかマジシャンになりたかった!ってくらいそういうモノに憧れてるんで(爆)ちょっとこだわりがあるのダw


と、まぁ偉仔も魅力的なんですが、それ以上にラウチンがめっちゃお得な役で大活躍でした。
なんつってもラウチンをカッコ良く見せちゃうのがお得意のイー・トンシン監督ですからね。
最初はただのバカキャラなのに、物語が進むにしたがってどんどんいい感じになってゆくラウチン将軍。どこまでわかっているのかいないのか、バカなんだか利口なんだかよく見えてこないんだけど、それは脚本のユルさゆえでしょうw


このバカ将軍の妻であり、薄情マジシャンの元恋人で、二人の男の間で翻弄される相手役を周迅が演じてます。
華奢で儚いイメージなのに、予想に反するゴッツイ低音ボイスと意志の強そうな無表情が彼女のチャームポイント。
これを劇中でもそのまんまキャラ設定にしています。
そのギャップからか、彼女がたまに見せる嬉しそうな笑顔はホントに花が咲いたように愛らしい…
…はずなんですが、久しぶりに見た周迅は、かなりトウがたってて笑い顔もちょっと怖い(汗)。
可憐さを際立たせていた細い体も小さな顔も、なんだかギスギスして見えるし、顔色もあんまりよくないような…?
かつて彼女が持っていたあの青く輝くような透明感はいづこへ……って感じで、ちょっと印象変わってて驚いたのでした。
気づけば彼女ももうすぐ40歳。いつまでも少女じゃないんですよね…。
基本、貫録がある人なので、そういうもん(年相応)だと思えば問題ないんですけどね。
こっちがかつての少女っぽさを基準に見ちゃってるからおかしいわけで。


おかしいのは偉仔もです。
どうしても本来の設定よりトシ食ってる感が出ちゃってるんで、アレレな感じ。
恋人を置いて欧州に手品の勉強しに行って3年目……で帰ってきたのがこのオッサンかい?!っていうね。
そのトシまで結婚しない許嫁ってなに?!とかさ。
まぁ、いいんですよコメディだし。多少ムリがあろうがどうってこたーないやね。
でもねーこれを20年前の偉仔(鼻の頭がピカピカだった頃の!)が演じたらどんなにか可愛かったろうと思うと……
やっぱりちょっと寂しいです。時の流れが悔しくなってきちゃう。
まぁ、枯れたからってオッサン臭い役ばかりやってほしくはないんで、こういったキャスティングはとても嬉しいんですよ。
ちょっとないものねだりをしてみただけー。


どうでもいいけど、周迅と偉仔って今年の夏頃ゴシップネタがあったんですよね。
「不倫?」「妊娠してる?」「偉仔を嫉妬させるためにニコラスと交際?」などという噂がチラホラささやかれたりなんかして、ちょっとワクワクしてたんだけど(爆)ガセだったのかその後何も続報なさそうですね。
しかし壮大なガセだこと。
私、最初に周迅を見たのが、ドラマ「人間四月天」の林徽因(リン・フイイン)(=実在する中国の建築学者。才色兼美の超インテリ女性)役だったせいか、頭が良いクールビューティーってイメージなんですよ(なんたって黄磊センセイwの大切な妹分でもありますし!)
偉仔とはお似合いだと個人的には思うんだよねー。
ゴシップに負けずにこれからも仲良くして(そして時々きわどい噂を聞かせて)欲しいものですが、「妻の顔色ばかりうかがっている」(と、芸能新聞に書かれてしまう)偉仔にはそんな大冒険はムリな話ですかね。


予告編