「血と骨」

血と骨 [DVD]

血と骨 [DVD]

  • 発売日: 2006/07/19
  • メディア: DVD

…疲れた…。
この映画は以前、予告編を見た段階で「自分には向かない。見ないでおこう。」と思ってて、旦那がDVD借りてきた時も一緒に見なかったくらいなんですが、お目当てが出てると知った途端にあっさり見てしまいました。トラップ!
でもって予想通りこうしてガックリきておりますよ。
これ、観るのにめちゃくちゃ体力使いますね。無駄に疲れる。
とにかくひたすら気が狂ったように暴力で周囲を破壊しまくるどうしょうもない男がいた、ということはわかった。
だからなに?というのはわかんない。わかりたくもないが。
この主人公から透かして見ても向こう側には何も見えない。複雑な内面も見えてこない。
そのくせ悪いことに、個人的な男の身勝手な行動から朝鮮人社会は見えてこないはずだし見ちゃいけないわけだけど、こちらはどうしてもそれを見てしまう。
朝鮮人への誤解を生むんじゃなかろうか?いいのかこれで?


でも、見るべきところもある。
鈴木京香が、すごく良かった。この人の演技を初めていいと思いましたよ。老けメイクはちょっと浮いてたけど。
豚の解体シーンの空気感、北朝鮮に移民する人たちを見送る駅の描写、オダジョーが出てゆく雨のシーンも良かった。
オダジョーは良かったですね!このヒト、早晩死ぬんだな、という空気までよく出ていた。格好もいい。
田畑嬢も最高です。このヒトはいつだって上手いけれど。
冒頭の伊藤くんも良かった。
でも、彼はタケシにはならないだろうどう考えても。顔が違うという以上に全てが違う。
このミスキャストゆえに、最初の段階から何がなにやらわからなくなってしまった。人物像が重ならないんだもん。
伊藤くんにはタケシと同質の狂気はないでしょ。真逆の狂気ならあるかもしれないが(たとえば北に行ってしまう共産青年みたいなものなら)。


えっとー私はこれ、北村一輝を見たい一心で見ました(爆)。
ああ、また同じ穴にハマっちゃってるんですよ。4年ぶりくらいかな。
以前ムチュウだったのはこの映画のできる前だから、2003年ですかね。
2003年以降の一輝は私の中で空白なので、これから埋めます。ゆるゆると。出演作多いんだよねぇ(喜)。しかも「大奥」以外、見事に見てない。なんだろうこの放置ぶりは。
とはいえ、俳優で映画を見てくと、放っておけば自分からは絶対にチョイスしない作品を観るハメになるのがキツイんですよね。
一応、好きな俳優が出ているものはみんな観ておきたいのだけど、見たくない作品がかなりある。
こういう修行はかつては野村祐人(Vシネ漬けでヘロヘロ)にも、つい先日にはブレッキン・メイヤー(お子ちゃま映画漬けでヘロヘロ)にもありましたなぁ。
9割の確率で私の見たい映画に出てくれているトム・ハンクスがいかに奇跡か、って話だ。
ちなみに「血と骨」の一輝は、わりと無難に良いのですが、最後がダメでした。最後の登場シーンは完全にVシネ。