私の抱えていた箱は
桜色の
キレイに輝くその箱は
振ってみたらばカラカラと
妙に軽い音がした
カラカラと乾いた軽いその音は
箱にポツンと入ってる
小さな欠片の在り処であった。
この箱を持ってくるため
別の荷物を置いてきた。
置いてきた荷物に未練はないが
それにしても。
もう少し
なんというか
この箱には
「大仰なもの」が入っているのだと思ってた。
私はぼんやりと地平線を眺め
やがて欠片をポケットに
そして砂漠に箱を埋め
振り返らずに西へと進む
箱の中にはひゅるひゅると
砂塵だけが積もるだろう
100年かけて
積もるだろう。
欠片は私のポケットで
指先ほどの小ささで
ひんやりと輝いている。
星のように。