無名の詩人

ずっと前に2ちゃんで拾ったどこかの誰かが書いたひとつの詩。
さっきフォルダの整理してたら出てきたので書き留めておきます。
青臭くてたいして上手くもない詩なんだけど、なんだかふわっと温かい。
自分が19歳だった頃を思い出す。こんなトーンの詩をたくさん書いてたから。
てかこれ、「朝のリレー」(@谷川俊太郎)のパロディだわね。
どうりで既視感がw


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東京の中年男がほほえみながらラーメン板で情報を集めているとき 
大阪の少年は恋愛板で青春の悩みを打ち明けている
映画のエロシーンで実況板がとんだとき 
釣り板ではマッタリとしたレスが交わされている
金曜日のFLASH板でサラリーマンが疲れを癒しているとき 
無能な母親が育児板を見て議論をしている
株上級者が株板で知識をひけらかしているとき 
未来技術板で人類の未来が語られている
毒男たちが女性に虐げられた経験を語るとき 
筋肉オタクがウエイト板を見ながら鉄アレイを上げ下げする
VIPで 糞スレが乱立するとき 
ジャズ板で1つの名スレが誕生する


この日本では いつもどこかで2ちゃんねるがはじまっている
ぼくらは感情を共有するのだ
PCからPCへと
そうしていわば交替でお気に入りのスレを守る


眠る前のひととき 耳をすますと どこか遠くでHDDの起動音が鳴っている
それはあなたの書いたレスを 誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ


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2ちゃんはネットの中のあだ花だ。
なかなかステキなあだ花だと思う。
名前を名乗ってネットで言えることなんてたかが知れてる。
名無しさんだから言えるさまざまなことの中に、人間の本質が現れる。
2ちゃんには本当の醜さもゴロゴロ転がっているけれど、本当の珠玉も見つけることができる。
キレイではないけど捨てたもんじゃない。
私はここしばらく株板くらいしか覗いてないんですけど、そこにも時々「おお〜」って感嘆するような名言があります。
コピペしないで流れちゃった数々の名言が、ちょっと惜しい。