ベルリンフィル2010年のジルベスター

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晦日恒例、ベルフィルのニューイヤーイブコンサート。
当初は小澤征爾が指揮をする予定だったそうですが、体調不良のために降板。急遽代役としてドゥダメルが抜擢されたんだそうです。
いきなりの大役が巡ってくる、というのもドゥダメルの運の強さというか…ま、実力なんだろうけども、そのチャンスをしっかりモノにしちゃうのがまた彼のスゴイところ!
天才だの才能だのいう前に、日ごろどんだけ努力と研鑽を積んでいるかって話ですよ。
カッコいいんだ。そういうところが。


ソリストにメゾ・ソプラノのエリーナ・ガランチャを招いての歌劇ナイトです。
このプログラムは小澤の予定してたプログラムとは違いますよね?指揮者が変更になればプログラムも変わるのか?
よくわからないけど、ドゥダメルが得意そうな曲ばかりなのがまた嬉しいです。私の好きな曲も多い♪
ざっと曲目を書いておきますと……


ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」、「ファウストの劫罰」〜ロマンス「燃える恋の思いに」
サン・サーンス「サムソンとデリラ」〜バッカナール、「あなたの声に心は開く」
ビゼーカルメン」〜第1幕への前奏曲、ハバネラ「恋は野の鳥」、間奏曲第2番、「セビーリャの砦のそばのリリャス・パスティアの酒場で」 、間奏曲第3番、ジプシーの歌「鈴を鳴らして」
ファリャ「三角帽子」
(アンコール)
チャピ「サルスエラ「セベデーオの娘たち」〜牢獄の歌」
ファリャ「スペイン舞曲第1番」
ララ「グラナダ


というラインナップ。
どれもすごくドラマティックで素敵な演奏。
中でも私が特に好きなのは「サムソンとデリラ」からの2曲と、スペイン舞曲第1番、「グラナダ」です。
今回はやはりオケだけでなくてソリストの魅力もかなりポイント高かったですね。

ガランチャがね〜すっごくイイんですよ!

顔は恐いけど(でも美人。迫力系美人?)演劇性豊かで表情のある響きにうっとりします。
ちょっとちょっと聴いてみて頂戴よ。素晴らしいっすよ。
極上の演奏と恍惚の歌声!
↓「サムソンとデリラ」より、「あなたの声に心は開く」



ベルフィルの皆さんも、なんとなくいつもより弾んでいる感じで、踊るようなノリで演奏してました。
ソロが多いパユなんかはカメラがよく拾うんですが(まぁ、彼の場合ソロが多いという理由だけじゃないんですけどねそりゃ)すごく楽しそうな様子で。入り込んでるなーってのが窺えます。
パユはあいかわらずめちゃくちゃイケてました。ベルフィルの花ですなぁ。
オッサンになってきてるはずなのになおいっそう見たくれにも演奏にも色気が濃厚になってきた感じ。


このジルベスター、樫本大進のお披露目ステージでもあったんですね。←コンマス・デビューの。
樫本くんはこれが初お目見えとは思えない、実に頼りになりそうな堂々たるコンマスぶりでした。ブラーヴォ。
1979年生まれの新しいベルフィルのコンマス・樫本くんと1981年生まれのドゥダメルはお互いものすごく若い。
クラシックの世界じゃ異例の若い出世を遂げた二人ですよ。
そのせいで親しみを感じているのかどうなのか、このステージでのドゥダメルは樫本くんにベタベタですw
ステージ上を行き来する際、必ず樫本くんの腕に、ちょこん、と触れる。
ときにはすがるような勢いでガシッと掴んだりもする。

そりゃもう、

カッシーだっていいかげんウンザリだろう?

って頻度でのお触りです。
そういう行動にはドゥダメルのかすかな不安みたいなものも見てとれる気がします(気のせいかもしれないけど)。
カッシーは安心毛布かw


てか、これだけの大舞台で不安にならないほうがおかしいわけですがね。
それでも、ひとたび指揮台に立つと、まるでそこにいるのが最初から当然だったかのように威風堂々と立派に仕事をやり遂げるんですから凄い。
想像を絶する大変さだろうに。
精神的にバカみたいに強くないとこんなことできませんよ、巨匠でもないのにさ。
きっとものすごくシンドイものをたくさん乗り越えてここに立ってるに違いないんです…(彼はまた音楽的なもの以外でもいろんなものを背負って立ってるんですよ。国家とか民族とか教育とか。あの若さで!)
それを思っただけで泣けちゃう。
ケナゲでさ。ホントに一生懸命で。
ああ、そうだ。この「ケナゲで一生懸命」ってのが、私にとってのドゥダメルの一番の魅力かもしれないなぁ。
もちろん音楽も見たくれも大好きなんだけどね!



大きな花束に埋もれそうなマエストロ。
カワイイ!