「恋文日和」

恋文日和 [DVD]

恋文日和 [DVD]

  • 発売日: 2005/05/27
  • メディア: DVD


人気コミック作家・ジョージ朝倉の同名原作を4人の監督が4つのラブ・レターをモチーフに描いたオムニバス映画。
「便せん日和」という物語を間に挟みながら、3つの物語が順に現れます。それぞれの話は監督も脚本も別の方が作っているので、かなりトーンが違う。「これはステキ♪」ってのもあれば「う〜ん」ってのもある。
ワタシ的にはその幅はかなり大きかったです。なので、全て終わった後、なんだかチグハグでとっちらかった感覚に陥りました。
各作品の感想をざっと。


「あたしをしらないキミへ」
 (監督・脚本:大森美香  出演:村川絵梨弓削智久
「便箋日和」の導入部の後、まず出てくるのがこの話なんですが、これがもー胸キュン!オムニバス4作品のうち一番(てか、ほとんど唯一)好きです。
とてもロマンチックでカワイくて純情溢れる若い男の子と女の子の話。ボーイミーツガール。いいねぇ!これぞディス・イズ・恋、ですよ。
村川エリがイイんですよ〜。カワイイーーー。恋する女の子のトキメキを体全体であらわしてます。ふっと見上げる時にホッペがピンクだったりとかもね、激カワイイ。で、見るからに胡散臭い純情ボーイを演じたユゲくんもカワイイーーー。やってる事も言ってることも流れる音楽も(GSですテンプターズの「神様お願い」(笑))カワイイーーー。そうよそうよ恋はカワイくなくちゃウソだかんね。
ラストシーン、屋上の上に広がる青い青い空がとても印象的です。「恋ってイイわー」って心から思える作品。


「雪に咲く花」
 (監督:須賀大観  出演:小松彩夏、田中 圭)
ロケ地には凝ってましたけど、映像も脚本もなんかもうなんでこうなっちゃうの?って感じ。質感がAVっぽいんですよね。あるいは深夜ドラマみたいな。絵と音が軽いんですよ。機材とかの問題なの(?)なんなの?なにしろロケで頑張ったものが全くもってうまく出てない気がしました。
圭くんはなんのために極寒の湖にダイブしたのか、っていうね。ずっとセーラー服着せられて雪の中に立たされていたコマツちゃんはなんだったの、っていうね。あれは寒いよ。女の子にあんな寒い思いさせちゃダメだよ。という、ヘンな心配ばかり浮かんでしまうのは、物語に入り込めてないということでね。磁力が弱いです。
でも役者はみんな寒さに耐え頑張ってました。ワケのわからない女の子に翻弄される圭くんは、ずっといい表情をしてました。優しくて真っ直ぐな男の子。そこに助けを求めつつも、さらに自己卑下してしまう女の子を演じるコマツちゃんも病んでる雰囲気が良く出てました。たぶん男の子は女の子に恋をしていたと思うのだけど、女の子の方はちょっと違うんですよね。もっとSOSに近い感じ。もう少し心が癒えて暖かな春が来るまで、女の子の心に恋は生まれない気がしますが、その萌芽が最後のシーンに現れていたのでホッとしました。
それにしても雪の中に佇む圭くんはなんとも絵になりますね。もともと色白で唇が赤いから、すごくセツナーーイ感じになる。
ノリノリでボーリングやってる姿も実に「らしく」て観てて楽しかったです。(要するに、どれもいいそれがタナカケイならば、的な。みたいな。いわば邪道。)



イカルスの恋人たち」
 (監督:永田琴恵  出演:玉山鉄二塚本高史當山奈央
ちょっと観て、途中で飛ばしました(爆)。死と恋を同時に描くのは難しいですよ。そのどちらかをどちらかが成立するためのエクスキューズにしているような気がして、どうもイヤなのです。純粋な恋愛モノとは違う、と感じてしまう。要するにニガテなだけなんだけど。
それでも好きな俳優が出てたら観るんですけどね。それもなかったので。


「便せん日和」
 (監督:高成麻畝子  出演:中越典子大倉孝二
これもTVドラマ的な作りでした。(もう、全部そうだな。日本映画ってホントこんなのばっか?映画作ってる自覚あんのかな)でも、お話は良かったです。心がほっこりと温まる感じ。しかもとてもよくある感覚。そうそう!恋、ってのはこういうものを言うんだよなぁ〜って感じで、感情移入が自然とできる。しかも全員ちょっとトウが立ってるのがまたなんともいえずショッパくてイイ。相手がアレってのもまた恋の本質(=恋は盲目)を見る思いだw中越ノリコの部屋中に貼られたオオクラ君の写真がキモくてカワイイこと!
便箋屋さんで働く主任と「私」。「私」は主任がひそかに大好き。職場に行くのが楽しくて仕方ない。でも主任は「毎週金曜日の夕方にやってきて紫色の便箋を買って帰る常連の女の人」がひそかに大好き。誰もがみんな一方通行。片想いラウンドがグルグル廻るよ〜って話。でも、「片想いこそが恋の醍醐味!」と信じる私は、こういう話大好きなのダ。トキメキ溢れて嬉しくてセツナいデス。