エレカシの新譜プロモ月間（？）、今日はフジテレビの「Love Music」に出演しました。
沢田研二の「時の過ぎゆくままに」のカバーと、新曲の「RAINBOW」（この番組ではカバーを一曲、オリジナルを一曲歌うという構成らしい）。
そういえば先日のNHKBSプレミアムの「The Covers」もカバーを歌う番組でした（しかも2曲も）。
RCの「スローバラード」とユーミンの「翳りゆく部屋」、そして新曲の「RAINBOW」。
まぁ、番組名からしてそういう構成なんだけど、なんであっちもこっちもカバーばっかりなん？
世の中的に、アーに他アーの歌うたわせるのが流行ってるの？
いずれにせよ、番組のコンセプトに沿ってパフォーマンスをしているだけなので、こういうこというのも何ですが…エレカシが誰かの曲のカバーするのって、私、全然聴きたくないわ。って、聴いてから思いました。
そりゃ普段から専門家に提供された楽曲を歌ってるアイドルとかなら、持ち歌以外の曲を歌うのも一興だけれども、自作自演の純正バンドの場合、自分たちの曲以外のものを歌うのに何の必然性があるの？って感じちゃって。
ベートーベンがモーツアルトの曲演奏したその先に何があるん？みたいな。
全然わかんないんだよね意味が。
余興か？アーティストつかまえて。
挙句、ミヤジのパフォーマンスを見て純正曲の素晴らしさをあらためて感じる、という流れになる。
清志郎の歌う「スローバラード」が、ユーミンの歌う「翳りゆく部屋」が、ジュリーの歌う「時の過ぎゆくままに」が、唯一無二のものであることを確認する（さらにチューブ見て確信する）という…。
ミヤジの歌が下手だとか、表現力がーとか全然そういうことじゃないですよ。
いずれもすごく上手く歌ってました。でも、そうじゃなくて。
芸術はみな「個」であることへのこだわりなんですよ。強烈な「個」の前では、いつだって誰だってどうしたって、アウェイだ。
で、新曲の「RAINBOW」ですよ。
ミヤジの「個」が、エレカシの「無二」がぎゅぎゅぎゅーーーーっと詰まったこの曲。
これこそが、この世界でたった一人しか歌えない曲。
パフォーマンスはその都度「エレカシ比」だけで良し悪しを語られる。健全だ。ここでやっとエレカシがどう輝いていたか（あるいはそうでなかったか）という話ができるわけ。
というわけで、この二番組を通しての私の感想を書いておきます。
（「RAINBOW」という曲自体への感想でもあります）
NHKでの「RAINBOW」は最高でした！
パフォーマンスももちろん、局側の見せ方（舞台装置、照明、カメラワというーク）も上手かった。
歌詞がおっつかなかったり息が上がったりしてるのも「それでこそミヤジのもの！」って生身の感じがして、勢いとか、臨場感があってすごく良かった。胸にジーンときました。
でも、フジでの「RAINBOW」はねぇ…うーん……
あちゃー…って感じでしたね。
印象がガラッと違って見えた。
狭いスタジオでのライブで、ステージやけに明るくて、すっごく近くに若い女性客がうじゃうじゃいる（しかもエレカシ目当てじゃないと思うきっと）っていう舞台で、ちょっと上滑りしたのかもなぁ。
アサッテな感じで、歌の世界を構築できないまま終わった気がしました。
とりあえず歌詞追っかけましたーでも追っつかなかったー感。
「あ、この曲、ナマはヤバイときあるな」ってのを感じましたね。構造的にむっちゃ難しい曲だし。
機関銃歌詞は（盤石パフォーマンスでエレカシの代表曲みたくなってる）名曲「ガストロンジャー」もそうだけど、あれはたとえ破綻しても破天荒で終われそうだけど（曲の精神性がパンクだからかな？）、「RAINBOW」は破綻するとかなり痛い、ってのを感じました。
しかももう若くないので、取り返せぬまま一直線に奈落の底までキリモミで墜ちていくだけ、というね（滝汗）。
怖い…怖すぎる。
でも！でもですよ。
そのギリギリのところで綱渡りするミヤジのカッコ良さってのはね、もうこれはそこらの若いコなんかにはわかりっこないんだよ。
５０になろうとしているカッコつけのオッサンの必死さを見よ！紙一重のその危うさの中にある泣きそうな覚悟を！
ギリギリのところですごくカッコいいヒーローに見えたり、イタくてダサいオッサンに見えたりするマジック・ソング「RAINBOW」。
実に新生エレカシにぴったりの曲です。
GYOでMVが先行配信されています。
これは文句なくメチャクチャカッコいいバージョン！
ちなみにCD音源でのこの曲はとんでもなくカッコいいのです。大好き！
CD信仰の私としては、ライブでは怖いので見たくないくらい。
いや、CDを越えるパフォーマンスに出会えることもあるので、見てみたくもあるのだけど、基本的には怖いと思っちゃうんですよー(^^;。
紅白出場の噂とかあるけど、ガセでも冷や汗出てきそう（汗）
あんな場所で歌う曲じゃなかろうよ…なんて言っちゃ申し訳ないけど、勇気を振り絞らないと見られないきっと私は。
最高のCD音源とMVで聴ければもうそれで満足です。
リンク貼っておきます。ステキな新曲ですのでぜひご覧くだされ！
