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「昔日の客」

Mattan Books


島田潤一郎さんという方が一人で切り盛りされている出版社・夏葉社さんとの心温まる出会いを語るマッタン。
インテリジェンスが溢れてビチャビチャ(by・フット後藤)ですw



マッタンらしいエピソードですね〜。
マニアなエピをつんのめりがちに語る嬉しそうな話っぷりw
聞いてて飽きません。
ラジオでもそうなんだけど、マッタンの語りは特段スムーズなわけでもないのに、なんでだか耳にも心にも心地いいんですよね…
…ってそりゃアタシが彼の話をめちゃめちゃ聞きたいと思ってるからか(^^;


夏葉社さんは先日読んだ「冬の本」を出している出版社です。

こういう縁があって、あの本にマッタンも参加しているということなんですね。


このVでマッタンが語っている「昔日の客」(関口良雄・著)を、先日図書館から借りてきて読みました。
(お金ないので図書館利用です(汗)。でも「冬の本」はちゃんと買ったよー)
古書店主の本に対する愛と誠実、派手ではないけれど豊かな人脈と文化的な生活ぶりが、すごく羨ましいと思える随筆集です。


昔日の客

昔日の客


マッタンがこれ読んで「癒される」と言ってましたが、それすごくわかります。
著者の関口氏は本に対する愛情と情熱にあふれる人で、わりと元気よく駆け回っている印象の方なんですが、この作品集自体が還暦に向けて出版しようとしていた(その前に逝去されてしまった)思い出語りの本なので、全体的にセンチメンタルな心にしみる文章が多いような気がします。
しみじみと残る、というか。
静かな夜に読んでいると、ちょっと昔に帰ったような気分になる。


ちょっと昔に帰ったような…というのは、これはほんの一例ですが、他者との会い方ひとつにも感じたりするんです。
思いついていきなりお宅に訪ねてゆく、とか。近くに寄ったついでに顔を出す、とか、友人がいきなり「紹介してやるから一緒に来い」って言って連れてく、とか。
そういう方法で誰かに会う時代が、そういえばあったような気がする。
今ならメールでアポを取るようなところです。
いわば「予約」ですよね。今はまず、そこから始まるパターンが圧倒的なんじゃないでしょうか。(もはや電話でさえない。声も聴かない。)
「予約」が悪いわけではないけれど、そこには「思いついたからふらっと出かける」というような「予定外」の驚きは薄くなってしまっている。
「予定外」は人間同士をわりと素顔に近い形で近づけるのではないかと思うんですよ。
何も準備してないところにやってきちゃうんだから。
気に入らなかったり、失礼だったりもする。
でも、そこから生まれるやりとりに人間臭い味わいがあるわけで…
それを「昔っぽい」人間関係だと感じるのかもしれないです。
今は廃れる一方だという意味での「昔っぽい」です。
ああ、でも店舗など(著者のように古書店とか)をやっていると、そうして訪れる人は普通にあるわけで…
もしかしたら私自身、いつか店をやりたいなどと漠然とした憧れを潜在的に持っているのも、こういうことが関係しているのかもしれない。


読後、「日本近代文学館」に行ってみたくなりました。
関口さんが手を引いて連れてきた昔日の書物が展示されているかどうかはわかりませんが。
思えば、美術館にも図書館にもよく行くけれど、文学資料館的なところってあまり行ったことがないんですよねぇ。
「ミステリー文学資料館」ってのにずっと行ってみたいと思いつつ、いまだに行けてないので(行く勇気がない。こじんまりしてるんでめちゃ入りにくい(汗))まずはそこに行ってみることが課題ですかね。