ブラーヴォ!ドゥダメル

かなり前になるけれど、旦那が「今日、ラジオで聴いたベト7が凄かった。ベネズエラ出身のドゥダメルっていう指揮者なんだけど、めっちゃいい演奏をするんだよ。」と言っていたのがドゥダメルの名前を聞いた最初でしたが、旦那の話をろくすぽ聞いてない私は「ベネズエラに巧い指揮者がいる」ってのだけをボンヤリと頭の隅っこに留めただけでした。
その後も何度かそのベネズエラの指揮者の話が出たけれど、私は名前さえ覚えなかった。認識もしてなかった。
それから数年。
先日、NHKBSでそのベネズエラの指揮者がベルリンフィルを率いてチャイコフスキープログラムを演奏しているのを初めて聴いたのです。
これがねー、ものすごーく良かったんですよ。
これか!例のベネズエラの指揮者って!と遠い記憶が蘇り…
指揮者の名前をやっと覚えました(遅いっ!)。
グスターボ・ドゥダメル
まだ31歳という若さにして貫禄たっぷりのマエストロです。
さっそくその日のうちにアマゾンでCDを購入しました(旦那が絶賛していたベト7の入ったやつを)。



私は、何か嬉しいことや楽しいことがあったときに頭の中で鳴り響く音楽がベートーベンの交響曲第7番の1楽章なのです。
そのくらい、この曲のイメージは明るく心弾むものなのダ(2楽章さえも)。
であるからして、もたもたもさもさとした演奏では聴きたくない…と常々思っているのですが、ドゥダメルの演奏は今までに聴いたどの演奏よりも、リズミカルで音の粒立ちがイイ。聴いててとても楽しい気分になるものでした。
リズミカルということはオケが見事に一体化してるということでもあって、そういうのもすごく心地がいいんですよ。
勢いもいいけれど、微妙なピアニシモをきっちり出してくる端整さにもうっとりする。
演奏は、ドゥダメルが常任をつとめる「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」。
若い子ばかりのユースオケです。
そのせいでこんなに新鮮な音を作れるのかなぁ?南米の気風、ってのも影響があるのかな?
イキイキとしてキレのいい、実に魅力的な演奏は、まさにワグナーの言う「舞踏の神化」、リストの言う「リズムの権化」(いずれもベト7を評しての言葉)である軽快で闊達で華やかな交響曲を再現してる気がします。
ドゥダメルと、このユースオケはとにかくいろんなことが桁外れみたいで、チューブを漁ってたら、こんなの見つけました↓



もービックリ!
ちゃんとクラシックを演奏する「まともな」オケが、ステージでチェロをくるくる回したり、バイオリンを高く掲げて弾いたり、飛び跳ねたりするなんて、はじめて見ました(アンコールですけどそれにしたって)。
そんなことするのライジング・スター・オケ(@のだめ)だけかと思ってた… てかあれ漫画だし。
実際にもいるんだねぇ。ここだけだろうけどなw 
こういうノリで演奏できるのって、実力がなきゃカッコ悪いだけだもんね。
新しい世代の天才指揮者と、若い子ばかりの最強オケがやるからこそキマるんでしょうね。(それと、やっぱりラテンだからなんだろうなぁ)
それにしても、クラシックにハマっていた頃だったら絶対に見逃さなかったであろうこんな天才にずっと気づかずにいたなんて、軽く損した気分です。
これからは要チェックでいきますよ!ちなみにビジュアルもわりと好みだw