デ・ニーロの愉楽、阿嶽の感傷


流れで久しぶりに「ゴッドファーザー2」を観たら、急にデ・ニーロが恋しくなり、すでに見飽きた感のある映画を見なおしました。
これ↓(イメージビデオしか探せなかった…甘甘だなこの編集w)



何度も観てるわりにはところどころで新たな発見がありました。
これ、かなり真摯な不倫映画だったのね。ラストシーン、あんなに抑圧的だったなんて初めて知った気がする。
エロが前面に出まくった不倫モノが多い世の中、せいいっぱいセンシティブでお上品なところにとどまってるのがウケる理由かも。
(メリルの「マディソン郡〜」なんてどう純愛気取ってもエロ不倫ですからね。それを悪いとは言わないが「純愛にすり替えんなやw」とは思う)
特に好きな映画でもないのに昔から何度も観てるのは単にこの映画の中のデ・ニーロがステキだからです。
すごく普通の真面目な男のヒトで、体型や雰囲気もイイ感じ。
ストーリーもなんのひねりもないドストレートな恋愛モノなので、心置きなくロマンティックな気持ちになれる。
何度観てもデ・ニーロはため息が出るほどカッコいい。


初めて「タクシー・ドライバー」で出会った時から私はデ・ニーロが好きです。
ハタチの頃は部屋中にデ・ニーロの切り抜きを貼りまくり、定期入れにパウチした画像を何枚も入れるほどムチュウだった。
でも、私はデ・ニーロをうっとりと眺めながらも、恋人になりたいとか、逢いたいとか、そういえば一度も思ったことがないのですよね…
ゴシップも気にならないし、そもそも自分と同じ次元にいる人として考えたことがない。
彼は「物語の中にいる、憧れの男のヒト」だった。大スターだし、別世界の人でいるのが当然で。
私はただ彼の映画を見て、キャーキャー言ってるだけでよかった。キメ顔プロマイド入手できれば大満足!だった。
そんな存在がいると、すごく楽しいんですよね〜。
……というのを、こうして時々「はっ!」と思い出してはシアワセな気分になります。


ファン体質の私は、昔から、いろんなスターに惚れこんできました。
デ・ニーロ、ダン・エイクロイドトム・ハンクス、チャーリー・チャップリンキアヌ・リーヴスリチャード・ドレイファス、ジェイソン・ビッグス、デヴィッド・シューリス石坂浩二トニー・レオン、ホアン・レイ…その他たくさんの綺羅星のような銀幕の恋人たち。
彼らがただスクリーンの中にいるだけで嬉しくて、作品を観ることが最大の幸せで、私はその物語の中でうっとりと夢を見ていられた。
スターを愛でる悦び。
それを、私はたくさん知っている。
でも、この悦びは最近、阿嶽に対してあまり発動されてない。


私はもうずっと長いこと阿嶽のことを好きなんだけど、今ではその「好き」には余裕がなくて、なんだかかなり苦しいのです。
ついこないだまで、阿嶽は無償で癒しを与えてくれる愛くるしい天使のような存在でした。
愛でる悦びの筆頭だった。
キング・オブ・アイドル、だった。
でも、今は様子が違う。悩ましくも恋しいヒト、にある時ふいに変わってしまった。それ以来、なんだか調子が狂っちゃった。
もはやデ・ニーロを好きだった時のように、無責任に一方的に楽しみを享受する気分にはなれない。
阿嶽は物語の中の憧れの男のヒトではなく、観るだけで楽しい気分になるという存在でもなく、今やもっと複雑なモヤモヤを帯びるようになった。ゴシップは気になるし、言動ひとつで気持ちは大きく揺れる。焦ったり困ったり嫉妬したり悲しくなったり……私は常に振りまわされる。
本人に逢う勇気などないくせに、「いつか絶対に逢うのだ!」と悲愴な決意を抱えていて、でもそれを思うと絶望的なムリ感に卒倒しそうになる。
まさに「思念是一種病」です(哀)
いつからこんな風になっちゃったのか。
こんな「好き」は、あまりに不自由だ。
早く元に戻りたい…
でも、この感覚は思いっきり感傷的で…そこがクる、とも言える。
セツナイ感じは、うっとりとロマンチックで、私は虜になる。
まさに”やみつき”。
病み上がりまで待つしかないのかも(汗)


そういうままならない想いとは別に、やはりデ・ニーロ惚れのような楽しみがあるとテンションあがります。
次元の違う気楽な「好き!」は心楽しく、元気が出る。
昔好きだったアメリカ映画を観ると、やっぱり楽しい。
初めの頃に好きだったものって、ずっと好きなのかもなぁ。
(最近、歳のせいか、どうも新規のスター惚れが見事に続きません。大泉ヨウもタナカケイもすでに興味がなくなった…日本のTVの中では、今はとりあえず一輝目当てで「妖怪人間ベム」観てるだけ…という現状。そこでも福くんのほうが一輝よりポイント高いというw)
そうそう。5日くらい前、トム・ハンクスの「パンチライン」観ました。
これも何度も観てるお気に入りです(以前書いたレビューがこちらにあります
この作品は私にすっごく勇気をくれます。
目標に向かう気持ちが折れそうになったときとか、行き詰った時などに観たくなる。
観るサプリ、だね。
また予告編貼っておこう。