ソフト食研究の日々

5月の半ばから、さまざまなソフト食(ミキサー食、流動食)を作っています。
まだいろいろと慣れていなくて、パターンがつかめていないので、なんかもう、一日中食事作りのことを考えている感じ。
ボクちゃんが歯列矯正を始めたのですが、反対咬合(受け口。下の歯が前に出ている状態)を矯正するので、下の歯と上の歯の噛み合わせを正常にする過程で、どうしても「どこも噛みあわない」状態になるのです。
現在、前歯がぶつかっているだけで、他の歯は一切噛みあってない状態です。
こりゃもう当然、歯を使う食べ物は何も食べられないってことでね…気の毒ですが、半年くらいはこの状態が続くそうなのです。
その間、歯を使わずに食べられるソフト食で乗りきらないといけないわけでありまして、食べやすいものをいろいろと考えて作っているというわけ。


たとえば、主食だったら、おかゆ、グラタン、スープに浸したパンなど、野菜だったらスムージーやジュースやペースト、肉や魚はムースにしたり、料理そのものをハンディミキサーでガーーッとペースト状にしたり。←これをウチでは”ガーガー”と言ってます。「親子丼ガーガー」(親子丼の具材をそのままミキシングする)とか「油淋鶏ガーガー」(油淋鶏をそのまま……以下同じ)っていう風に。


買い物に行っても、まず「噛まずに食べられるものは何か?」もしくは「”ガーガー”に適したメニューに使えるものは何か?」の目線でモノを見るようになりました。


お弁当も当然ソフト食を持たせています。
今日のお弁当はこんな感じ。

 

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・おかゆ
・豆腐ハンバーグみぞれ煮
・安納芋の茶巾絞り、海苔の佃煮、オムレツ、スモークサーモンのテリーヌ

 

使っているのはサーモスの保温弁当箱です。おかゆとハンバーグは温かい状態、その他おかずは常温で持ち運びできます。

おかゆに欠かせないのは海苔の佃煮です。これは自家製。
焼海苔5枚を細かくちぎって、醤油大さじ3、酒大さじ3、砂糖大さじ1で煮詰めるだけ。最後にハチミツを少々入れてガッとかき混ぜるとまろやかになります(ハチミツ入れるのは野崎洋光先生のレシピ)。
簡単ですごく美味しいので、ぜひお試しあれ。湿気た海苔の処分にも役立つよ。


ついでに昨日のも載せておこう。

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・卵がゆ
・カボチャのポタージュはんぺん入り
・肉団子ガーガー、オムレツ、ソフトたこ焼き(たこ無し)

 

お弁当は、ソフト食になる前から(4月にお弁当生活が始まってから)ずっと毎日、画像を撮って「お弁当ノート」を作っています。これを機にインスタなんか始めちゃおうかとも思ったんだけど(ありがち(汗))、メニューの履歴を一望するにはネットよりアナログなノートの方が使い勝手がイイので、ノートに落ち着きました。インスタデビューならずw

 

テリーヌだのパテだのリエットをよく作るのだけど、ボクちゃんだけではどうしても余ってしまうので、おつまみとして大人たちで食べたりもしています。

 

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こんな感じで、リッツパーティー!みたいにしたりして。
これはサーモンのテリーヌと豚バラのリエットが余ったのを使いました。
リエットはハーブが効いててすごく美味しいのだけど、どうやら大人向きでボクちゃんの評判はイマイチです。

 

ちなみに私もかつてまったく同じ反対咬合でした。つまり、ガッツリ遺伝なの…。
ちょうど今のボクちゃんと同じ年齢の頃に歯列矯正をしていたのです。
食べることが不自由でツラかったという記憶はあんまりないのだけど、精神的には非常にツラく(当時は歯列矯正って一般的ではなかったので、かなり引け目を感じてたのです…)そっちのほうが悩み深くて食べ物のこと考えるどころではなかったのかも。でも、その頃、母がよくポタージュスープを作ってくれたのは覚えています。今でも「母の味」というと、あのスープを思い出します。

 

ソフト食の研究をするのに、いろんな本を図書館で借りてきたりネットで調べたりしましたが、こういったメニューを考えている人のほとんどが、介護に携わっている方たちなんですよね。
体の不自由な方や嚥下困難なお年寄りに食事を作る人たちの日々の努力というものを、初めて目の当たりにしました。意識しないと気が付かなかった、知らなかった世界。いろいろと勉強になりましたよ。
終わりも見えない中で、誰にねぎらわれるわけでもなく、それでも毎日コツコツと、介護される人の喜びとなるような食事を研究して作り続けている人たちが、この世の中にはたくさんいるのです。絶対に必要な存在なのに、目立つこともなく、縁の下の力持ちのように大変なことをやってのけている。本当に頭が下がります。
その苦労を思えば私なんかなんということもない。ほんの半年程度の話だし。大変だなぁ、と気負って考えずに、工夫することを楽しみながらやっていけたらラッキーだな、と思っています。


それと、とにかく”ガーガー”に使うハンディブレンダーが、ソフト食を作る人たちにとって革命的に便利な神マシンであることが、よくわかりました。これさえあれば、家族で外食にも行ける!と重宝している方がたくさんいます。
ウチでも毎日フル活動してます。無かったら本当に大変だった!あってよかった!
これです↓マジ神。