ボクちゃんの中受合格と小学校卒業のお祝いを兼ねて、奈良・京都への旅行に行ってきました。
京都在住のオジ(私の弟)がいるので、ウチの子どもたちの進学の節目には毎回ジジババオジを交えての奈良京都の旅行をするのがいつのまにか慣例となりました。
まず、初日は奈良。
雨の東大寺。
鹿さんたちも濡れて寒そうです。
興福寺の国宝館が今年いっぱい工事中なので、阿修羅像など八部衆や十大弟子などの仏像さんたちは仮講堂に、仏頭は東金堂に移されての拝観となっていました。
講堂の中は暗く、仏像さんたちとの距離も遠く、仏像さんたちが所狭しと置かれているので展示が重なって見えない部分もあり、国宝館で拝観するのに比べてとても見難く、環境が良いとは思えない状態。
とはいえ、それゆえに仏像さんたちが「一堂に会している」感は増していて、どこか違う臨場感がありました。
いつも一人だけ別のケースで展示されていた五部浄さんが、八部衆の皆と同じところにいたのが、なんだかとても嬉しく、印象的でした。五部浄さんの(塗りが剥げて)涙をためているように見える眼差しと相まって、心打たれました。
奈良でのお宿は、奈良公園の中にある「江戸三」です。
今回の旅行の目玉がココに泊まることでした。
全室(客室は5棟しか無いようです)が離れになって奈良公園の中に点在し、窓を開けるとすぐそばに鹿さんが来るという……実に風情のあるお宿です。
母がずっと「いつかここに泊まってみたい」と言っていた憧れの場所なので、今回はかなり早い時期から予約を入れておりました。
宿に着いたときはゲリラ豪雨なみの土砂降り。
足元の悪い中、旅館の仲居さんたちが重いスーツケースを抱えて案内してくださいました。
苔むした道は滑りやすそうで、この道を何度も往復しなくてはならない仲居さんたちのお仕事ぶりには本当に頭が下がる思いがしました。
私たちが泊まったのはこちら、「銅鑼の間」。
ジジババオジ達は大きめの「中央の間」に泊まり、お食事などはそちらで一緒にとれるようにしていただきました。
お夕飯は名物の「若草鍋」。
志賀直哉が命名し、昭和天皇に献上され、三宅一生が「日本版ブイヤベース」とフランスに紹介したという、ほうれん草と魚介の鍋です。
伊勢海老やハマグリ、鯛などの魚介、鶏肉、たっぷりのほうれん草、春雨…盛りだくさん!
窓を開けて、七輪で炊くお鍋です。
こちらは先付。
酢味噌和えや甘露煮など。桜の白酒がものすごく美味しい!
イイ御出汁がたっぷり出た後で、お雑炊にして食べます。
染み入る美味しさでした。大満足。
夜、別棟の部屋に帰る時、闇の中、すぐそばに鹿さんが来ていて腰抜かすほど驚いてしまいました(汗)。
ホントに宿の周りのそこここに、鹿さんがやってきているのです。
闇の中でキラキラ光る鹿さんの瞳は何もかもを見通しているような神秘的なものがありました。神様の使いなのだなぁ。
朝起きて、雨戸をあけると、さっそく鹿さんが出迎えてくれます。
奈良公園の鹿さんたちは決まったお家には帰らないのですね。公園内のそこここに気ままにずっと、いるのだそうです。
朝食。
お食事も全部仲居さんが足元の悪い中運んで配膳してくれます。申し訳ないくらいのサービスです。
茶粥、湯豆腐、焼き魚、漬物にみそ汁に出汁巻き卵にオレンジジュースやヨーグルトまで…とても量が多いです。ご飯もつきますが、私はすぐにお腹いっぱいになっちゃうのでご飯まではたどり着けませんでした。惜しかった…
お部屋も食事もサービスも、なにもかも素晴らしくて、コスパ考えるとものすごくリーズナブルでした。
建物は古いですが、水回りがとてもキレイなのもポイント高いです。
お風呂(これも別棟の離れにあります)やトイレは最新の設備が入っていてとても快適。シャワートイレはもちろん、お風呂にはジャグジーもあるし、自然水の飲み水も備わっていました。
わびさびの風情と快適さが実にバランスよく整っていて、これはもう奈良に泊まるならここ一択かも!と感じるお宿でした。
以上、「江戸三」報告ばかりになってしまいましたがw
続きます。