わけもなく盛り上がる瞬間と 急にやってくる冷静も

「モンスト」のCM、「くだらないこと篇」が、めちゃめちゃ好きです。
自分でもイージーだなと思いつつ、見るたびちょっと涙ぐむ。
これがスマゲーのCMだってのがとても残念なんだけど、CMのデキ(クオリティ)と、その対象物の存在価値は同列ではないのでこの際それは置いといて。


モンスターストライク CM 「くだらないこと」篇 30秒


若い男の子たちのアホっぽく騒がしくセンチメンタルな青春。
仲間たちと過ごす「くだらないこと」のつまったなんでもないような日常に、胸がキュンとなる。
自分の高校時代を思い出すからなんだろうな。
思いっきりバカでくだらないことばかりやってたあの頃の自分を思い出して、懐かしくて、胸がいっぱいになるのです。
こんな感じの騒々しい日々が、自分にもあったことにちょっと驚く。
普段思い出しもしない、忘れ果ててたその記憶を、このCMはつっついてくる。
映像というより、言葉。
このCMの醍醐味は、なんていってもこの詩のような言葉。これに妙に惹かれるのです。上手いよね。ジーンとくる。
あと、曲。曲もイイ。
めっちゃ好きなタイプの曲。
映像だけだとただのバカ騒ぎだもんなぁ。
やはり人生には言葉と音楽が必要(それも絶対に必要)なんだとしみじみ思う瞬間。


「青春は輝いてる」なんて言うつもりはない。
実際は、しょぼけてたり捻くれたり苦悩したりする毎日で、当人は「青春なんて、クソくらえだ!」とか思ってたりもするんだから。
でも、齢五十にもなって振り返ってみれば、そんなこともぜんぶひっくるめてそれはやっぱり輝ける珠玉のような時なのです。
無自覚な当事者にはきっとわからないこと。
ボサーッと生きてるキミの毎日は、実はタカラモノなんだよと。
そんな素晴らしい日々をスマゲーなんかで潰しちゃだめだぞ!!
…というメッセージをこの作品からは暗に感じられるのだけど、それじゃマズいなw スマゲーのCMなんだからさ。


この秀逸なCMのディレクターは電通クリエイティブディレクターの柚川祐一さんというかたらしい(調べたんですけどはっきりわからなかった。違うかも)。
他にどんなものを手掛けているのか知りたいんだけど、なかなかわからないのです。
すごくいい作品を作るクリエイターに出会うと、その人の他の作品を観たくなるものだけど、CMなんてのは作った人がわかりにくい(アーティストってより広告代理店の社員だから調べにくい)のが残念ですね。