一陽来復


陽だまりを心に抱きて柚子を煮る   約拿


いきなり一句詠んでみましたが。
もうすぐ冬至なので、柚子をいっぱいもらったんだけど、お風呂に入れるだけじゃもったいないのでジャムを作ってみました。
今、部屋中に柚子の匂いが広がっていて、シアワセ〜な気分です。
柚子のジャムは苦くなりがちなのですが、白いワタを丁寧にこそげ落として取ることと、細かく切ること、煮詰める前に3度ほど湯がくことで、苦くないジャムができます。



果汁とタネを取り除いたら、ワタを取って細かく切ります。
これを3回湯がいて、果汁と砂糖(柚子の重量の6〜7割)とひたひたの水を加えて煮るだけ。



ジャムとはいえ、我が家ではこれをお料理に使います。
お醤油とお酒を加えて、カジキマグロや鶏肉のソテーのソースとして使うとすごく美味しいの。


一陽来復とは、もともとは「易経」に出てくる言葉だそうです。
10月は陰の気で覆われているけれども、11月になると陽の気が復活し、冬至を境に長くなっていくことから、冬至のことを「一陽来復」とも言いますね。
衰えていた太陽の力が再び勢いを増してくる(=新しい一年が始まる)ということで、「悪いことが続いた後に幸運に向かう」という意味もあるそうです。
その景気づけに、かぐわしい香りで邪気を払うという柚子のお風呂に入ったりする、と。
冬至が来たら、これからはどんどんいいことがやってくるよ、新しい気分で頑張ろう!ってことですね。
なんだかそう考えるだけでも元気が出ます!(単純(^^;)
つまり冒頭の句はそういう意味です。
あたたかな陽の光あふれる新しい季節への期待を胸に、コトコトと柚子を煮ている今日の日なのであります。