誰も真似できない


芸能ニュースを騒がせている例の盗作問題ね。
あれ、歌手のヒト可哀想だね……楽曲提供受けてるだけなのに、あたかも本人がパクったかのような報道。
ニュースのヘッドにかかれるのは作詞家の名前ではなくて歌手の名前だもん。
とばっちりで大変な目にあっちゃって、本当に気の毒です。
芸能ニュースでこのネタが何度も取り上げられて、その都度歌詞の比較検証を見せられるんだけど……
あれ見てちょっと驚いちゃうのは、元ネタになってる歌詞の凡庸さね(爆)。
ありゃ丸パクリだったからバレたけど、似たような言葉は簡単に出てきそう。こう言っちゃなんだけど、パクる気力もなくなるようなフツーの歌詞じゃない?あれを何度も音読される元ネタさんが気の毒になるレベル。(意見には個人差があります)
音楽というのはもちろん歌詞だけじゃない。名曲といわれるいろんな曲だってどうでもいいこと歌ってるとかあるし、もっといえば歌詞なんてなくたっていいわけで、歌詞が凡庸だからその元ネタさんの曲がダメとは微塵も思わないのだけれど、でも私はこのニュースを見るたびに思うんですよ。


そりゃ誰もミヤジの歌詞はパクれないだろうねぇ。

って。
だってあまりにも個性的すぎるもん。
珍奇。突飛。文学であり哲学であり、時に慟哭、時に都都逸
その最もたるアルバムが3枚目の「浮世の夢」ですかね。
このアルバムを聴いたときの衝撃たるや。
最初はめちゃ戸惑いました。
「なんじゃこれは?!?!?!」って、何度も聴き返した。
で、抱いた感想が「こりゃ、売れるわけないよなぁ…」でしたw
これがわかるヒトって、すごく少数だと思うもん。でも、ハマるヒトはここでハマったんじゃないか、と思うくらいピンポイントでスゴかった。
ロックでもフォークでも歌謡曲でもない、ジャンルのわからない摩訶不思議な、けれどもとてつもない共感と詩情に満ちたこの傑作は、私の愛するエレカシ(=宮本)の世界観の核となっているように思います。
音的には未熟で、完成度は低いけれど(だからヘビロテするには至らないのだけれど(^^;)、こと歌詞においてはエレカシ史上に燦然と輝くものがあると思います。
たまにすごく聴きたくなる。愛読書を読みたい、ってのに近いかも。
私の好きなエレカシは、「浮世の夢」あってこそ。
これがエレカシの極東。


浮世の夢

浮世の夢