秋の一日


天高く聳えるポプラの木から、紙吹雪のように葉っぱが落ちてくる。
ヒラヒラと舞う葉っぱをキャッチしようと走り回るボクちゃん。
のんびりした秋の一日です。
だんだんと秋の気配が濃くなってきました。



名づけられた葉  
                    新川和江


ポプラの木には ポプラの葉
何千何万芽をふいて
緑の小さな手をひろげ
いっしんにひらひらさせても
ひとつひとつのてのひらに
載せられる名はみな同じ <ポプラの葉>


わたしも
いちまいの葉にすぎないけれど
あつい血の樹液をもつ
にんげんの歴史の幹から分かれた小枝に
不安げにしがみついた
おさない葉っぱにすぎないけれど
わたしは呼ばれる
わたしだけの名で 朝に夕に


だからわたし 考えなければならない
誰のまねでもない
葉脈の走らせ方を 刻み(きざみ)のいれ方を
せいいっぱい緑をかがやかせて
つくしく散る法を
名づけられた葉なのだから 考えなければならない
どんなに風がつよくとも


(No.19)