白黒の真実

チューブで拾ったインタビュー番組の中で、ミヤジが白と黒の服しか着ない理由を語ってたのですが、これが実に共感できる話で、胸を打たれました。
ミヤジが白と黒の服しか着ないのって、個人的な美意識なのかと思ってました。
「自分はこれがキャラだから」みたいな。
「白と黒って、オレっぽいでしょ」みたいな。
「男がチャラい服着てるのって違うだろ。白と黒だぜエビバデ!」みたいな。
でもそういうんじゃなかった。
ミヤジは「服を選ぶよりやるべきことがあるから」っていう理由で、自分の人生から「ファッション」の項目を端折ったがゆえに、必然的に無難な白黒ファッションで統一するところに落ち着いたのです。
つまりアレは機能的「ユニフォーム」であり、「服装で何かを主張する」って方向を放棄したあげくのファッションだった、っていう予想外。
あの「こだわりの」白黒が、結果的に何らかの主張を帯びてしまうのはそれが「ユニフォーム」という機能の逃れられない役割であり、他者の感覚に拠るものなのでまた別の話なのです。とにかく、本人にそのつもりがないことなので、そこがポイント。
「自分は曲を作る人間だから、他の事に気を回せない」っていう、創作をする人の精神性がそのまま出ている行動だということが大事なのです。
これがまた「ファッションに興味がない」という朴念仁っぽいモノじゃなくて、「(オシャレすることだって憧れちゃいるんだけど)選択する時間がないから切り捨てている」というのがさらにいじらしくもケナゲです。
要するにプライオリティの問題なんですよね。
真のクリエイターは何を置いても創作が優先する。
だってそれが彼の揺るぎのないアイディンティティだから。
そこをおろそかにしちゃうと途端に居心地が悪くなる。
オシャレして出かけても「自分、何やってんだろう」って自己嫌悪に陥ったりしちゃうんだよね。「そうじゃないだろう」っていう違和感、とか。焦り、とか。
そういう気持ちはよくわかる。わかるけど、ここまでそれを徹底して形にしちゃってるのが、さすがミヤジだという気がする。
純粋だ。いいなぁ。


こちらのVです。


宮本浩次 1/3


「「いつかいつか」っていつもそういうふうに思って生きてきたんだけど、いっぱいいっぱい憧れがあってさ、でもそんなの一個一個やってくと、間に合わないってことに気づいたの。一生がいくらあっても間に合わないんだよね」


……のところがすごく好き。
私と同じこと思ってる人間がいる!っていう嬉しさ。
まぁ、基本私がミヤジに惚れ込んでるのはそれ(共感)があるからなんだけども。
歌を聴いててももちろんだけど、トークにもインタヴューにもじんわりと励まされる。
自分と感性が似ているせいなのか、ものすごい説得力があるんですよね。胸にグッとくる。いちいちが。
自分の言いたいことをこんなに代弁してくれる人、潜在的に思っていることを気づかせてくれる人、って、滅多にいない。
すごく貴重でありがたくて嬉しくて。
だから私はミヤジが大好きなんだけど、男のヒトとしては見ていない(見られない)のです。
心の友。
まさにそれ。