アメパイその後

久しぶりの映画ネタがこれって(汗)。
「アメパイ」と言って何のことかわかる人はどのくらいいるんだろうか。
「アメパイ」とは「アメリカンパイ」の略語で、ここではアメリカのコメディ映画の題名です。
アメパイはシリーズ物で、今のところ以下のラインナップが出そろっています。


アメリカン・パイ」(1999)
アメリカン・サマー・ストーリー」(2001)
アメリカン・パイ3 ウエディング大作戦」(2003)
アメリカン・パイ in バンド合宿」(2005)
アメリカン・パイ ハレンチマラソン大会」(2007)
アメリカン・パイ ハレンチ課外授業」(2007)
アメリカン・パイ in ハレンチ教科書」(2009)
アメリカン・パイパイパイ!完結編 俺たちの同騒会」(2012)


私はかつて、自分のホームページの中にアメパイ特集ページを作ろうとしたこともあったほどの、アメパイラヴな人間(と、公言するのはかなり恥ずかしい!)なのですが、この中で見ているものは正規シリーズの1〜3までと、完結編の4作だけです。あとはスピンオフでメインキャラクターは全然出てこない(つまり作品のトーンもおのずと違う)からスルー。
先日(っても、かなり前なんだけど)、最後の作品「アメリカン・パイパイパイ!完結編 俺たちの同騒会」がDVD化に至っていたのを発見し、やっと観ることができました。
あの懐かしいメインキャラたちが帰ってくる!
……という喜びに打ち震えていた私を容赦なく打ちのめしたのは、彼らの劣化(老化)でした。
オーマイガーーーーー
あの甘酸っぱい青春の日々が撮影されたのはたかだか15年前だってのに、かつての若者たちは見事に冴えない中年に……。
これ、マジで衝撃だったわ。


ああ……ショック!!!


私、ジェイソン・ビッグスが若くなくなる日がくるなんて想像してなかったよ。
ずーっとおバカな(もしくは純朴な)若者を演じ続けるのだと思ってた。
だってそれ、ジェイソンの代名詞よ?!
おバカで純朴な若者でなくなったジェイソンは、いったいどうすりゃいいのだろう?
オッサンになったジェイソンに需要はあるのか?(だから最近、見なくなったのか(汗))
ティーンの頃から見ていた(最初に見たとき彼女はまだ中学生だった!)可愛かったアリソン・ハニガンが、デブでタルんだ中年オバサンになってしまうなんてのも想像していなかった。
ヒトゴトである彼らの劣化にこんなにショックを受けるんですから、同じだけの時の流れを経ている自分自身の状態にあらためて目を向けると、最悪です。
普段、あえて考えないようにしているのに、自分の老いや劣化を思ってゲッソリしちゃう。


最後のアメパイ映画、思うところはたくさんあったけれど、とにかくこういったエイジング・コンプレックス的なことばかりが気になっちゃって、ストーリーのあれこれがどうでもよくなってしまいました(^^;
そもそもが、「あの、ハッピーで可笑しくて胸キュンの世界は思い出の中に行ってしまった…でも、私たちは相変わらずバカなことで大騒ぎ!」……みたいなノリなので、うら寂しいことこのうえない。
しょんぼり。それもまたコメディの最もたるものだといわれりゃそうなんだけど。
映画の中で唯一、スティフラーが老けてない(精神状態もガキw)ってのが、相変わらずで可笑しかったですが、それはそれで彼は「ヘンなおじさん」化してゆくんだろうな、って感じがします。←そういう役回りなのでイイのかw


ちなみにアメパイを見るなら断然「2」がイイです!
これはもう、不朽の名作。
ついでにサウンドトラックも最高に最高にステキです!エバーグリーンの宝庫。
もはや「懐かしの」という言葉がついちゃいそうな、90年代アメリカンロックの数々…このサントラはまさしく「聴き倒した」感があります。大好きすぎて、いつ聴いてもトキメくのダ。
このサントラから大好きになったバンドが2つあります。
Sum41とblink-182です。
似たようなパターンのバンド名ですが、どっちもエモ系バンドです。
Sum41はその昔、阿嶽も好きだって言ってた。
blink-182のドラマーは「タクシードライバー」のトラヴィスがそのまんま出てきたような風情で、すっごいよ(いろんな意味で)。
でも、アメパイと言ったらやっぱこの曲でしょう…ということで、あたくしの涙腺決壊ソングをいっこ貼っておきます。


3 Doors Down - Be Like That Traduzida PT BT - American Pie 2


この曲は私にとっての「夏」のイメージソング。
しかも、「若かったころの夏を思い出す中年の私の夏」のね(複雑)。
人生は連綿と続いているから、昨日は今日の、去年は今年の、ずっと地続きのように感じてるけど、実はそうじゃないのかもしれない。
振り返ると、ポンと飛び地のように「今」があるような気がする。
鏡をフト覗いたときに感じる衝撃。脳内にいる「自分」と、かけ離れたその姿。
ビックリするくらい現実が見えてない自分と、ビックリするくらい速く過ぎ去る年月に愕然とする。
昔、ビーチボーイズの「All Summer Long」という曲が大好きで、自分の中の”人生ソング”の一つだったんですが、今ではあれを聴くたびもの悲しくなる。
夏は終わる。
という事をすでに知ってしまったのに、途方に暮れているだけの自分をそこに見てしまうから。


こないだ同じ歳の義理の妹に「またトシをとちゃう。イヤダ!鬱になりそう」って言ったら、思いっきりポジティブな反論されましたよ。
「年をとるのってイイじゃない!私はすごく楽しみだよ〜」って。
ぶひゃーーー。すごいな。その境地、私には遠いわ。
エイジングコンプレックスは続くよどこまでも…