転んでも転んでも立ち上がる


羽生くん、すごかったね……
羽生くんのスケートってもともとドラマティックだけど、今回はリアルに強烈なドラマを見せられて絶句してしまった。
転んでも転んでも諦めずに立ち上がって滑る姿には、ホント泣けました。
頭も打ってることだし、体のことを考えたらここは棄権した方がいいだろうに…と思いながら、でも、そうしたくなかった羽生くんの気持ち、だよね。それがなんとも心に響く。
アスリート生命を守るとか体を養生するとか、そういうのを飛び越えたこの「気持ち」の在り方が、羽生くんらしくドラマティックで、やっぱりそこが彼の魅力なんだなぁーってあらためて思いましたね。
よく言う「死ぬ気で頑張る」ってやつのほんまもんでしたよ。あまり真似はしない方がいいパターン(汗)。


さて。
このところ「今年も残すところあと○○日になりました…」的な言葉をTVで聞くようになって、なんだか妙に気分が軽いです。
ツラかった一年がやっと終わるのか、と。
いや、ツラかったってもべつにハタから見たらどってことないんですけどね。
「どこが?」ってもんですけどね。
でも、ツラかったの、私。自己比で。


この、「自己比的にツライ、という苦しみ」に関して、今月号のダ・ヴィンチ西加奈子さんとマッタンが対談している中でも取り上げられてて、面白く読みました。
何か、自分的にツラいことがあって、でもそれが他者からすると大したことなくて、「他にもっと苦しんでいる人やツラい人だっているのに、なに甘えてるんだ」的なことを他者から言われたり、自分的にも思ってしまって、本来の正直な感情を抑えてしまい、ゆえにさらにキツくなる……という感覚ね。
そういう「抑圧」みたいなのはやっぱり、不自然なんだよ、と。
誰にどう思われても…てか、自分が一番、そういうこと(「甘えてる」とか、「他にもツラい人いるのに自分は…」とか)思ってしまうんだけども、そういう気持ちは大事なんだよ、みたいなことをお二人が話してたのを読んで、グッときちゃった。
いわゆる「あるある」なんだけど。
なんかホッとした。同じようなこと思っているヒトいるんだなぁ、って。
まぁ太宰とか読んでると「なにコイツ甘えてるな」とかやっぱり思っちゃうんだけどw
でも、本人比ではこちらからは伺えない苦悩があるんだよね。
私のツラさは私にしかわからない。それでいい。
逆に、誰から見てもツラいだろうに……って人だって、ちっともツラくない人もいる。むしろシアワセだったり、とかもある。
他人のことなんて、ホントは誰にも、何にも、わかんないんだよね。
喜びも悲しみもシアワセもツラさも、絶対値があるわけではないの。相対的なものでもない。そこには自己比があるだけ。


まぁ、とにかくこの一年の私はひたすらダメ人間として過ごしました。
自分の能力の無さ、頑張れ無さ、社会性の無さ、何も無さをこんなにも痛感したことはなかった。
いやー、マイッタw


私はわりと(ってか、かなり)ノー天気な性格で、今まであまり「落ち込む」ってことがない人生で、ゆうちょ銀行のCMみたく「人生は夢だらけ」で、いつだって夢とか希望とか憧れで胸がいっぱいなバカだったんですけど(それはひとえに私が妄想族だからですよw普段からあんまり現実を見ちゃいないんでね)、48年生きてきて初めて自分はそれだけではなかったんだ、ということを発見しました。
私だって落ち込むことがある。と。
新発見だった。


いろんなこと、やるはずだったことも今年は何もできませんでした。
ただひたすら家の中で、デローーーンと脱力して寝転んで菓子食いながらTV見てただけの日々。
ポッカリと、すがすがしいまでに何もやりたくなかった。(「できなかった」のです、病的に気力がなくて)
そして見事に何もやらなかった。甘えさせてもらいました。


この一年、私は思ったね。
もう私は小説家にもなれない。阿嶽にも会えない。美しくもなく才能もなく若さもなく金もなく仲間もおらず夢もかなわずトキメキは遠く希望はすべて絵に描いた餅でしかなく何一つ成し遂げることもなく永遠に冒険もできずパリにも台湾にも憧れのどこの場所にも住むこともなく世界を見ることもなくシワもシミもタルミも増えつづけ体の具合はどんどん悪くなり頭は弱くなりやがて子どもたちは独立して離れていってしまい、ボサーッと生活してるだけの何もとりえのないただのオバサンとしてひたすら年をとってゆくのだ、と。
若い頃から散々夢見がちなことを思ってきたけど、なんだ私の将来って「何のとりえもないただのオバサン」だったのねー!
これって悲観か?
いやいや、単なる事実でしょう…
…みたいな。
そうやって勝手に落ち込むんですよw
勝手に脱力して立ち上がることを諦めて不貞腐れる。
マッチポンプだね。
私のような夢見る夢子さんにとってはこんな思考回路、ありえなかったんですよ今まで。
夢を見るにはすっごく(精神的に)元気でなければ、力がなければ、ダメなんだということが初めてわかった。
同時に、今までの私って心がめっちゃタフだったんだなぁってのにも気が付いた。


また夢見る夢子さんに戻れるかどうかわからないけど、このところ「やっぱりこのままじゃヤダ」って気持ちもふつふつと涌いてきたので(闘争心!向上心?)、ちょっとづつ元気になってる気はする。
諦めるのって、実はツマンナイんだよね。
ラクちんだけど、めっちゃツマンナイ。早晩飽きる。
実際、もう飽きてきてる。
「ただのオバサン」なんて、うんざりだよ。やってらんねー!っていう元気も若干出てきた。
だからきっと、もうちょっと経てば…新しい年が来る頃には、私はまた夢見る夢子さんになれるかもしれない。
とりあえず年内には歯が入るし(これがデカい。そもそもの原因がこれだし。実はいまだにインプラント治療が終わってないんですよ。歯茎の戻りが悪くてまだ歯が入らないの)、この治療が終わったらいろいろと気持ち的に変わるのは確実。
前歯一本がこんなに影響力あるとはね。
人間ってすごく単純なのかも。それならケロッと違うステージに行くことだってできるんじゃないかな。
あまり気張らずに、期待していますw