夏休みも終わり


9月ですね!
一昨日からボクちゃんの学校も新学期となり、長かった夏休みも終わりました。
ろくすぽ外に出なかったせいもあるけれど、今年の夏はあんまり暑かったという感じがしませんでしたね。
夏休みが終わるころにはすっかり秋の雰囲気で、朝晩はビックリするくらい涼しい。
これから好きな季節です。
てか、季節の変わり目、ってのが私はめっちゃ好きでwワクワクしちゃうんですよね。
一番好きなのは「冬から春」、なんですが「夏から秋」はその次に好きです!
久しぶりのブログだというのに、どうでもいいことを書きました…


今夜は夫婦してBSで録画しといた映画「ゼロの焦点」を見ました。
数年前の犬童一心監督のです。
(以前見た時、感想書いてますね。我ながら気に入っているレビューこちらの記事です)。
いやー。思いがけず号泣してしまった(汗)。
ただひたすらにこの犯人に感情移入…というか、とにかく可哀想で可哀想でたまらなくなっちゃって。
原作は何度も読んでるし、映画やドラマも何度も見ているけれど、ホントにこの物語は傑作だと思う。
こんなにも哀しい動機を持った殺人者がいるだろうか?っていうね。
犯人の人生に思いっきり思いを馳せてしまう。


映画ではそうなっていないけれど、原作では犯人が殺人を犯すのは「疑心暗鬼」のためだったという設定で…それが題名の「ゼロ(=何もないのに)」っていうにつながるわけだけれど、これが非常にセツナイのです。
この動機を題材にした清張大先生は本当に凄い。
一人の犯人の「こだわり」を描くことで、ものすごく多くのものを同時に表わしている。
男も女も抱えきれないほどの苦しみをひっそりと胸に抱いたまま、唇をかみしめて生きていた人が多かった時代の、これは見事な記念碑にもなる作品だと思う。
こんな小説が書けたら本望だろうなぁ…と、心底リスペクトしちゃってる傑作ですね。


この犬童監督版の映画は、ストーリーが原作と違うところがかなりあって、そこには違和感を感じますが、映像はきれいだし、なんといっても役者がいいので、見て損はない作品だと思います。
この犯人、演じる人によってはただのいけすかないやつになりがちなはずなんですが、そうならずに必死な哀しさが上手く出ているのは、演じてる中谷美紀の凄さです。
全身全霊をかけてこの女の人生の哀しさを演じ切っている。
そしてもう一人の女を演じる木村多江も凄い。セツナイ。ちょっとイラッとするほどの、素朴な女なんだけど、まぁよくハマってること!
ってことで結局、この二人の女優たちに泣かされてしまってるということかもしんない。
役者の演技というのも芸術なのだな、って、普段あんまり思わないことを思わせてくれる映画でもあります。