オイコノミア


大河の視聴率が下がってるようですね。
面白いけどね?
…ってのはもう去年から同じこと言ってるけど、要するに歴史そのものの複雑さとかについていけてない人が中途脱落してるだけだと思いますよ。
歴史を扱ってるだけで最初からある程度のハードルの高さがあるんだから、そう華々しい視聴率を想定するのもなんか違うよ。
バカ軸に合わせて制作側がオロオロしてるのはなんかがっくりする。
いいものを作ってるという自信を持ってほしいです。
それよりも!
ムカつくのはいつも大河が始まると同時に選挙のテロップが入ることですよ!
あれはダメだね。ダメすぎる!!!モノを作る人間に対する冒涜ですよ。
バカじゃないの?!って毎回思う。猛省を促したい。
そんなもんはニュースの時間にやれや!


ってのは前フリで、ここから本題です。
大河も面白いですが、なんといっても私が今夢中…ってか、個人的にNHKさんに感謝しているのは、Eテレで放送中の「オイコノミア」っていう番組です。
「オイコノミア」ってのは「エコノミー」のギリシャ語です。
経済学を身近なところから考える、というコンセプトの番組なんですが、この番組のパーソナリティを、なんとマッタンが一人でこなしているのです!
しかもすでに1年以上もやってました!
……全然知らんかったーー。
情弱ぅぅぅ。
っても、今までマッタンに興味がなかったので知ってたとしてもスルーしてただろうけど。
思えばこんなスルー対象が、ある日いきなり珠玉のように輝きだすのだから、人間わかんないもんですね。
昨日の他人も今日の友。昨日のゴミも今日のお宝です。
今日悲しみの中にあっても、絶望するには早いですよ!明日には劇的変化があるかもしれないんだから。的なことを思ったりします。


というわけで、現在放送中のものと合わせて、過去の放送分をさかのぼって見てるところです。
これね、マッタン本人の内面にも肉薄するような番組になっててすごくイイんですよ。
彼のキャラとか性格とか得意なことをちゃんと知り尽くした人が作ってる感が濃厚にある。(そもそも深夜のEテレって場がもうねw)
「大切にされてる感」満載なの。
だから、ファンとしても見ていてすごく心地いいのです。
この番組ではマッタンはまさに「取り換えがきかない存在」になってます。
マッタン自身も「ふっとんだ」とかで借りてきた猫状態になってるのと比べて、目が輝いてて楽しそうです(^^;)。


世に出るきっかけが芸人であっても、実は違う才能の方があった、得意なことがあったのなら、それを大事にしてほしいなぁーと思いますね。
芸人なのに芸も磨かず何やっとんじゃ…なんていう方向で引け目を感じて、せっかくの得意な方向に進まないなんてことは、経済学的にも良くないんですからして(比較優位、ってやつ?)。
そこはもう、自信を持ってね。
てなこと言われて本人が嬉しいかどうかはわからないけど(汗)。


番組の中、取材で訪れた一橋大学構内に佇みながらマッタンが話した言葉が忘れられません。

「大学」っていう言葉を聞くと、なんか「恋」とか「秋」とかと同じようなヘンなこう…セツナサみたいなものを感じるんですよ。
胸が締め付けられるような感覚がありますね。
行きたかったけど行けなかった、みたいなセツナサを感じているのかもしれないですね。
一人暮らしをして、朝、新聞を読んでから大学に行くのが、けっこう夢やったんですよ。
けっこうね大人なってもいつまでも、すべてにこう一歩二歩も遅れてるっていう…なんかそういう気がずっとしているんですよね。
憧れの場所なんですよ、大学っていうと。


…っての。
めっちゃリライトしちゃいましたが(汗)。
これ聞いたとき、ちょっと涙出てきちゃいましたからね、私。
彼がこれを言う時の気持ちが、胸にしみた。
こうして言葉にするのにも、彼の中にヒリヒリした疼痛がともにあるのを私は知ってる。
それでも、ここでこの言葉を言っておかないと自分で自分を保てない、というのも。
この感覚、私もいまだに抱えてますからね。
大学に行けなかったマッタンも、行きたい大学に行けなかった私も、根っこのところでは似たようなセツナサを抱えてるんだなぁと…
それは端的に言うと「アカデミズムへの憧れ」ですかね。
憧れが無い者は、その先には進めないものです。
そういった感覚がある間は、知的好奇心も向学心も持ち続けられるような気がします。たとえ現状とのギャップは大きくても。
この番組って、マッタンのそんなところまでをもうまく生かしているようで、驚きます。
マジでこれファンが作ってると思うなぁw


公式サイト
http://www4.nhk.or.jp/oikonomia/