ベストセラー


今日、「ベストセラー、買ってきちゃった」と旦那に言ったら、「あ、タサキツクル?」と聞かれました。*1
…んなわけねーべ。
私がM氏の小説、嫌いなの知ってるじゃんか……ってもいつも一応は読むんだけどさ(汗)。
今回もさすがに気になって、書店で並んでいるのを手にとってパラパラっと眺めたんですけどね…
最初の2行を読んだだけで、ムリ、と思ってそっと棚に返しました。
手っ取り早く、あの2行があってくれて良かった。長々と読まずに済んだ。
2行を読んで惹かれる人間もいれば、2行を読んで拒否反応を示す人間もいる。
小説って面白いね。


M氏は確かにうまい小説家かもしれないけれど(M氏の翻訳物は私も好きでけっこう読みます)、それが文学である限り、やはり似たような精神性を持ってないと物語を読むのはキツイわけで。
その方向がM氏と私は違いすぎる。
ことごとく真逆だ、といつも感じます。
死ぬのが怖くていつも死の存在を考えては怯え、生きている実感を得るためのメタ認知に明け暮れ、慎重で臆病でしばしば刹那的になってしまうセンチメンタルな人間(=私だ)に、死にたがる人間の心は不可解でしかない。
M氏の物語の主人公は、いつだって死にたがりで(しばしばホントに死んでしまうし)、私にとってその思考はまったく共感できない(どころか腹立たしい)のです。
アナタに私の悩みがわかるか?
わからないでしょうが。
ってな感じ。
きっと向こうもそう思うだろうからお互い様なワケだけれど。
同じように刹那的なのに、まるで違うところからやってきて、まるで違うところに行く人のようです。
似ているのに真逆な人って、まるで見たくれの違う人よりもタチが悪い。


登場人物を色で呼ぶ、ってのも、私の敬愛するオースターの「幽霊たち」(私にとっての文学の教科書。傑作です)と似てて…でも、その使い方が真逆なので、そんなところもちょっと癇に障る。
(オースターの場合、名前(=色)に意味は無くて、意味が無いことがすごく大事なんだけれど、M氏は名前に意味を持たせたがる。名前こそが存在を示すかのように)


あ、ちなみに私が今日買ったベストセラーはこれです。


起業家

起業家


生き馬の目を抜くネット業界での若き社長の戦い実録。
読みやすくて面白いです。なんだか元気も出る。


それと、大好きな橘さんの本。出てたの知らなかった(汗)
ドーーンw


不愉快なことには理由がある

不愉快なことには理由がある


橘さんは先週から「週刊文春」での連載も始まりました。
楽しみに読んでます!(でも立ち読み(爆))

*1:正しくは「タザキツクル」だそうです・汗