「ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」


毎年春の恒例行事となっておりますドラちゃん映画に行ってまいりました。



今年の作品はオリジナルストーリー。
前知識が全然無いまま見たんですが、予想外におもしろくて驚きました。
でもって今までのドラ映画と、一味も二味も違ってた。
15年以上ドラ映画を見続けていますが、こういうティストってもしかして初めてかも…?
今まで、映画となると巨大な舞台に放り込まれたのび太たちが、その特殊な世界で力を合わせて悪と戦う…みたいなのが多かった(てか、ほとんどそう)だったんです。
でも、今回の作品はそうじゃないの。
まず、悪者がいない。
それは、悪者を生み出す悲しみも無い、ということです。
なので、アクションやバトルはじゅうぶんすぎるほどありますが、悲壮感がなく、爽快です。
全体のトーンもすごくコミカルで優しい。
たくさんのひみつ道具が出てきて活躍するのも楽しいし、推理物っぽくなっているのも(簡単な推理ですが)楽しめました。
ルパンやホームズのキャラクターを知らない小さな子どもたちにも、最初のイメージとして楽しげな印象が残るように作られているのに好感が持てましたね。
基調となっているメッセージのようなものも、とても身近なもので説教臭くありません。
最後まで失敗し続けて、でも諦めずに夢を追う科学者の姿も、最後には成功して大団円…というよりも、むしろ夢を感じることができました。
博士が犯した「重大なミス」で…というシーンで、コンピュータの上に飲み物をこぼす、っていうのにウケました。
これ、ボクちゃんもやらかしたことがあるからねぇ(PCのキーボードにコーラこぼして壊しちゃって買い換えたことがある)すごくリアルに教訓に富んでて、でも可笑しくて、絶妙でした。


去年の作品がちょっとばかし不発だったので、これから続くドラ映画に対してやや不安を覚えていたのですが、杞憂でした。
今回の作品はドラ映画の中でもかなりの傑作だと思います。
そしてなによりも、今までに無い方向に舵を取った(たぶん、ものすごく思い切った決断で!)ということが高く評価されるべき作品だと思います。
悪と戦わなくても(誰かと敵対しなくても)派手なアクションだってできるんだよ、ってのも、これからの時代に合ってるんじゃないかな?
来年の作品はリメイクなんで、この調子での変革路線は続かなそうですが、時にはこうした作品もアリなのだ、というのは新しいドラ映画の可能性を示唆していると思います。
従来のファンを満足させながら、なおかつ新しいことを試すのは難しいことでしょうが、マンネリに陥らず、これからも楽しい世界を模索し続けて欲しいです。
それから…普段はあまり意識しないのですが、映画となると声優さんたちの表現力にも感じ入りますね。
特に水田さんのドラちゃんはね〜、最高です。
可愛くて優しくて可笑しくて大好き!


ボクちゃん、今年はドラちゃんの記念ポップコーンケースを欲しがりませんでした。
ちょっと大人になったのかな?
頼もしいような、寂しいような。
(そのかわりグッズ買わされたけどw)
私にとってドラちゃん映画は子どもたちとの恒例行事だというところに最大の意味があるのです。だから映画のデキよりも、こどもたちが楽しめたかどうかが大切。
そういう意味でも、今回の作品は素晴らしかったのでした。


ところで、今日映画館で初めて知ったんですが、レスリーの命日(31日〜1日と、日をまたいで)に、香港での追悼イベントを映画館で同時中継するらしいですね。
ライブシネマ「MISS YOU MUCH LESLIE」っての。



10周年だって…もうそんなになるんだね。
こういった追悼イベントを開催するのも今年で最後らしいので「行きたいな」って、ちょっと思ったんですけど、深夜の映画館に出かけられるほどの元気も無く…しかも1日には遠出があるから徹夜するわけにもいかないので諦めました。
まぁ、正直一人で見るには寂しすぎるわけですが。


香港が私から遠くなって、もう何年経つだろう?
ポスターのレスリーは永遠に若いまま。
私たちの周りだけ、時が過ぎてゆくね。