西島秀俊考


考、ってほどのことじゃないっすけど(笑)。
たまたまここんとこ3連発で西島くんの出演番組を見たんですよ。
NHKの「日本人は何を考えてきたか」のナビゲーターでしょ、TBSの「ダブルフェイス」でしょ、そして大河「八重の桜」ね。
立て続けに見たせいか、またちょっと気になる存在となってます。
「また」ってのは、以前にも一度そんなことがあって。
その時のことは このエントリ で書いてます。
(なぜ西島くんが気になるのかを自分なりに分析してて可笑しいです。ずいぶん失礼なこと言ってるなwただ、自分で言うのもなんだが、この映画評はよく書けてると思う)


「日本人は〜」のナビゲーターでは素顔っぽいノリでの撮影だったんですが、これがなかなか真っ直ぐでインテリな好青年ぶりでして。イイ感じだったんですよ。
役に入るとさまになってるのに素顔に戻ると言動がバカっぽかったりする俳優ってのがよくいますが、この人は演技と素顔のギャップが少ないヒトだなぁと(それがいいんだか悪いんだかわからないけど)。
でも、ドラマでは、あいかわらずボーーッとした演技なんですよね。
上手いんだかヘタなんだかもよくわからない(爆)。
でも、そこに想像の余地があるというかね。
バイアスのかかった奇妙な魅力にやっぱりひっかかってしまうんですよ。
努力して得られる類の演技力とはまたちょっと違う存在感があるっていうか。
しかも幅広い意味で、エロい(爆)。
まぁ、ある種、天性のスケコマシなんだろうか、とか思ったり。


「ダブルフェイス」では、(原作「無間道」で)偉仔が演じた役をやっていたのですが、まさしく日本版偉仔といってもいい、似通った雰囲気&近い物語性を抱えていたように思いました。
ハマリ役でした。
もともと私の中では西島くんと偉仔は似たカテゴリに属する人なんですけどね。
たとえば「ハリー・ポッター」シリーズのリーマス・ルーピンを、もし日本人が演じるとしたら西島くんだし、華人が演じるなら偉仔しかいないとずっと思ってたりもする。
悲情城市」の文清さんも、日本人が演じるなら西島くんだろうと思う。
ルーピンと文清さん(いずれも私は思い入れが深いんですが)に共通するのは、どちらも身障者だというところです。
彼らにかかるとその身障者ゆえの悲しみや孤独や優しさ、特に他者との距離感を、すんなりと演じてくれそうに思えるんですよ。
二人とも、言葉より目線でモノを言う、って感じがあるからかもなぁ。


今年の大河、初回を見る前の最大のモチベーションは時代背景だったんですが、その次に大きかったのが西島くんの出演でした。
男性として好みのタイプでもないし、特に好きな俳優でもないのに(って言い方もどうかと思うけどw)、その存在感がイイ感じに物語を紡いでくれる予感がしたんです。
役柄(山本覚馬という人の人生)を読んだら、カチッとハマったのね。
あ、これイケると。
(余談ですが、覚馬もやがては身障者に(盲目に)なるんですよ。盲目というとあの”物語るまなざし”が使えなくなる、ということですが、そこでどんな演技が見られるのかがまた楽しみです。)


初登場シーンは幼い八重に比べると「兄」とは信じがたい老けっぷりで、ちょっと唖然としましたが、それはまぁおいといて。
ポイントは、あの東北弁ですね。
こんなにも東北弁が似合う人はいないんじゃないかってくらいリアルなありよう。
俊敏で繊細なのにボーッとした雰囲気ではぐらかされているような意味深な佇まい。
てか、あれ?この人には前にも会ったことあるな、なんだろう…この既視感は?
って感じたんですよ。
どこかで私はこういう風に東北弁をしゃべってる西島くんをガッツリ見たことがある。
でも、どこで??
…とずーっと考えて、やっと思い出しました。
朝ドラ「純情きらり」の冬吾さんです!
その記憶が蘇った途端、覚馬兄さんがめちゃくちゃ色っぽい存在と化してしまいました。
(冬吾さんは朝ドラとは思えない色っぽさでしたからね。あ、これはダメだろ、ってくらいの)
でも、私は最初から心の中で、たぶんそれを期待していたんですよね。
大河に西島くんが出る、って知った時から、「あ、これは色っぽくなるかも」って。
今後の成り行きが楽しみですw


今年の大河は、視聴率的にいい滑り出しだったようですね。
視聴率と作品の質は無関係だと昨年の経験でわかっていますが、視聴率の後押しがあれば製作側ものびのびと作ることができるでしょうから、なによりです。
まぁ、扱ってる時代も人気があるところだから、追い風でしょう。
幕末は私も好きな時代なので、楽しみな反面、いろいろと注文をつけてしまいそう。
登場人物にそれなりに思い入れがあったりするからね。
ほとんど馴染みのなかった「平清盛」とは違って、新鮮な驚きというものは少ないかもしれないけれど、よく知ったエピソードがどう描かれているかを見るのが楽しみ、って感じですかね。
私の好きな(新選組の)斎藤一を、ドラゴン・アッシュの染谷くんが演じるようなのですが…
今まで演技を見たことがない人なので、ドキドキです。どうなるのか見当もつかない。
てか、大河「新選組!」で斎藤一を演じてたのがオダジョーで、私の中のイメージもそこに近いんですけど、今回(オダ)ジョーは(ニイジマ)ジョーの役であるわけで…
なんだかごちゃつきそう(汗)。


イメージ、というところから言うと、松平容保役の綾野くんがすごくよかったです。
ビジュアルはそっくりだし生真面目で神経質な容保のキャラもよく出ていた。
お嬢(受験生だが大河だけは見てる)と二人で「綾野しかおらんだろうっていうハマリぶりだねぇ」と納得。
戦場に入り込んだ八重たちを許す場面では、思わず涙がでてしまったほどの良き殿様ぶり。
「ああ、一生かけてこのお方を守りたい!」と八重が深く心に誓ったのがしみじみとわかるエピソードでした。
子役の八重は素晴らしい演技でした!
次回、この子がいきなり骨太の綾瀬はるかになるのは唐突な感じがしますが、便宜上仕方がないですね。とりあえず兄妹の年回りがやっとそれらしく見えることでしょう。
佐久間象山吉田松陰勝麟太郎川崎尚之助といった象山塾の面々も素晴らしいです。
奥田さんはさすがの存在感だし、グリシュンはやっぱり華がある。彼が動いているだけでワクワクします。
今後、女性陣が出てきたらもっと華やかでしょうね。楽しみです。
今年の大河も最後まで面白く見られたらイイなぁ。