悲しきアジアの片隅で


この話題には一切触れたくなかったけれど、一度だけ、書きます。
今これを書こうと思った理由は後述します。


中国の反日行動に伴って、香港明星の反日発言も活発になってきましたね…。今日はエリック・ツァンの件が記事になっていて、悲しい気分になりました。
そりゃもう香港だって中国ですから、生きてゆくためには国策に沿ったそれなりの意思表示をしないとやってられないのかもしれないけれど…香港ってもうちょっと文化的なんじゃないかと期待していたり、政治と文化は別だと信じている(そして相手もそうだと決めてかかっている)ノー天気な日本人の明星迷にとっちゃ、ショックなことですね。
反日スターの一覧の中には華仔やリンチェ、サイモン・ヤムなどのスジガネ入りに混じって學友の名前まであってびっくりしました。
日本映画初主演が決まったばかりの偉仔は何も表明してないけど(そのことで「売国奴」呼ばわりされているらしいけど)ヨメが出てきて「日本映画の話は無期限延期だ」と息巻いてる。
反日タレントの中には、台湾明星の名前も多いのに驚きます。
中国側の言い分ではF4メンバーのケン・チュウとか、ジェイ・チョウだとか、スー・ヨウポンとか、日本でも人気の高い明星が揃って反日分子だとか?
このブログ参照
本当かどうだかよくわからないけれど、なんだかイヤだなぁ…。
胸の中がゾワゾワする。


私の大好きな大好きな阿嶽も区分としちゃ台湾明星なわけですから、正直なところすごく不安です。
不安すぎて怖くなるからあまり考えないようにしてる(たまたまクラシック返りしてるから、ちょうどいいことにこの件に関して考えずにすんでいる。ラッキーではある)
阿嶽は最近やたらと大陸での仕事が多いのです。
ほとんどが大陸の仕事かもしれない、ってくらい。
先日の反日暴動時にも、阿嶽は大陸ツアーの真っ最中でした。
あの、イオンが襲撃された前日に、青島でライブをやっていた。
反日暴動を見て何を思っただろう?
ものすごく気になります。
阿嶽に熱狂するのは中国大陸にいる大勢の若者たちです。
日系企業を襲って暴行略奪をしているのも、圧倒的に若者が多い。
この2者は、かぶってるかもしれない。
阿嶽の歌を口ずさみながら、破壊行為に繰り出している若者がいたってちっともおかしくない。


暴動のあった翌日、恐る恐る阿嶽のSNSを覗いてみました。
阿嶽は政治の問題にもちょっとした発言をすることが多いのです。だからなおさら不安)
阿嶽は普段どおりのトーンで、楽しげにライブの報告をしていました。
みんな来てくれてありがとう。盛り上がって楽しかったよ、と。
当然のことながら、彼はプロだから、
このツアーでたくさんの人たちの生活を支えていかなきゃならない立場の人だから、
社会の情勢がどうあれ何事もなかったように、
暴動なんてまるで関係のない世界のできごとであるかのように、
まるっとスルーするのが賢明です。
それでいいの。
阿嶽には関係のないことだし。


でも。
本当のところ、反日活動のことをどう思っているんだろう?
ってことがどうしても気になる。
親日だと思っていた台湾の人だってこの時期どんどん反日を表明しはじめた。
阿嶽も、ずっと前から多くの台湾の人たちのように、親しみをこめて日本が好きだと言ってくれていたけれど…今はどうだろう?


今、彼の生活を支えている場は中国です。
そして中国人たちは熱狂的に彼を愛する。
ライブは満員だし、どこに行っても大歓迎される。
対して、日本は彼に何もしない。マーケットにさえなっていない。彼が誰なのかもみんな知らない。
こんな状況で日本に好意を持ってほしいなんて言えるわけない。
阿嶽が、自分を愛してくれる人たち(つまり中国人たち)を優先するようなことがあってもそれは順当です。
阿嶽は自分の立ってる場所からいろんな判断をするでしょう。
それがどんなものでも、私はそれを気にしちゃいけないんだと思うことにしました。*1
まぁ、簡単に言うと、その口からいつ反日の言葉が出てもショックを受けないように心の準備をしたという感じですかね。
覚悟を決めた、というか。


そもそも私は彼が台湾人で、しかも原住民で、その昔は日本人だった人たちの末裔であることにどこかで甘えているのだと思います。
それこそ本来だったら最も反日になってもおかしくない立場の人なんだということをちゃんと認識していなくちゃならない。
あの戦争が終わったと同時に、日本は台湾を見捨てた。
それは厳然たる事実なんだから。
でも、彼らは笑顔で私たちをうけいれてくれていた。
「日本が大好き」なんて、もったいない言葉をかけてくれていた。
台湾の人たちが反日にならないのは、ただその心の広さ、辛抱強さゆえなのだということを忘れてはならない。
そこにつけこんで日本はずっと都合のいい解釈をしてきただけのことだと理解していなくては。そして感謝をしなければ。
表面だけの、真心の伴わない付き合いは、簡単に破綻する。


今日は台湾でも大規模な反日デモがありました。
あのどっちに転んでも難しい国の中で、いろんな意見が渦巻いているのは容易にわかる。
今や中国に寄っていくほうがいろんなことがやり易く、日本に親しみを寄せても何も見返りが無い、ということもわかる。
いろんな事情がわかる。
でも、台湾の反日はことさら悲しい。


そんな中、勇気を出して阿嶽のSNSを覗いてみました。
今日の書き込みは花蓮でのライブの案内。
ちょっとホッとした。
日付を遡っていって……息を呑んだ。
一つ前の書き込み(金曜日の書き込み)に、雪印乳業の広告が貼ってあったのです。
クリックすると、乳幼児のミルクのCM。
かわいい赤ちゃんがいて、その子が阿嶽の姪っ子なんだそうです。
日本企業のモデルになってるのね!(かわいい赤ちゃんコンテスト、って企画らしい)
広告には日本語で「かわいい」って書いてある…
…。
涙が出てきた。
かわいい姪っ子ちゃんの笑顔が、日本と台湾をつないでくれるような気がする。
なにか、ものすごく大事なものが、そこにある気がして…元気が出てきた。
あのね、日本製品不買運動さえあるこの時期に、自分のSNSに日本企業の広告を載せるってのはすっっごい勇気のいることなんですよ?それは私たちの想像のほかです。
大陸で絶大なる人気がある阿嶽にとってはなおさらです。身の危険をかえりみない行為といってもいい。
姪っ子が出てるったって、そんなこと公にしないほうがいいんじゃないかって話ですよ。
私はもう、すっごい彼のことが好きだから、めちゃめちゃうがった見方をするけれども…つまり、これは私たち日本のファン(あまりいないけれど…)に対する、「大丈夫だよ」っていう暗黙のメッセージだと受け取りましたよ!
てか、ぶっちゃけ私に向かっての意思表示だとさえ妄想は広がっています(馬鹿な思い込みですが、この妄想ひとつでシアワセになれるので許してください(汗))
とにかく、すごく、すごく、嬉しかったのです。
もしかして阿嶽にそんな深い意図はなくて、ただ単にユルいだけで、数日後には「売国奴か」とか言われて慌ててこの記事自体削除されるかもしれないけど(汗)、それでも私はこの騒動のさなかに堂々と雪印の宣伝かましてくれた阿嶽に深く感謝しています。
阿嶽の行為に対して、私も何らかのアクションを示さないと…と思ったので、この話題にあえて触れることにしました。
いろんな考えや意見があるし、私にも自分なりのポリシーがあるけれど、とにかく阿嶽に関しては
「私は、あなたがどうあろうと、ずっとあなたが大好きですよ!心の底から愛してますよ!」と。
それだけは言っておきたいと思ったのです。
こんなところで言っても伝わりませんが(爆)。
本人のSNSに書けよバカ、ってもんですが(汗)。
そンな勇気があったら私は私じゃなくなるわなw
…ていうか、ここを読んでいる皆さんに言っておきたかったということです。


我従内心深處真的愛阿嶽
像寶物一様重要地考慮他的事。
縦使國家間有也相争、我一直愛阿嶽


これで伝わってる?
いつになっても中文がうまくなりません(汗)
大事なときに大事なことが伝えられないって、イヤぁね。

*1:1つ言っておきたいのは、日本にいい顔をして稼ぎに来た挙句、反日を表明する韓流スターとは違って、中華明星は基本的に日本のマーケット上にはない、というところがポイントです。私たちが勝手に好きになった異国のスターなので、彼らがどういった考えを持っていても仕方がないし、責められないというのが道理です