読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

お宝本


ずーーっと憧れていた本を入手しました。
ずーーっと憧れていたのになぜ今頃になって手に入れているのか?
…というと、私がこの本の存在を知ったのが、つい2日前だからなのです。
なのに「ずーっと憧れていた」ってのはどういうこと?か。
じつは、この本はかつて広告だったものをまとめたものなのです。
私は当時からその広告が大好きで、切り取ってはスクラップをしていたのでした。
そのスクラップは私のお宝なのですが、それらの広告がまとまって本になって出版されているなんて今まで全く知らなかったというわけ。
こちらの本↓です。



「アメリカン・マヨネーズ・ストーリーズ」
秋山晶さんのキューピーアメリカンマヨネーズの広告をセレクトしてまとめたものです。
すでに絶版なので、古書店にて入手しました。
(定価の3倍以上のお値段でした。世間的にもお宝本のようですね)
こんな感じ↓で、文章と写真が向かい合わせになって載っている。



かつての広告の方はというと、こんな↓感じ。(私のスクラップより)



コピー、写真、文章。このバランスがなんともいえず、いい。
どうせだったらこのスタイルのまま載せて欲しかったかも…


本に載っているものは選ばれたごく一部で、載っていないものもたくさんあります。
それでもないよりはあるほうが何倍もマシなわけで、こういった企画を通してくれた出版社の方に感謝いたします。
やっぱり雑誌などに載った時にとっておかないと、もう二度とお目にかかれなくなってしまうというのが広告の宿命なのかもしれませんね。
そんな刹那的なとこが広告の良さであるともいえるけれども。


本に載っていなかった、私のお気に入りを1つご紹介しましょうかね。
(大きめに載せたら読めるかな?)




この写真にこの文章!ホントにグッときちゃいます。
物語が眼前に浮かんでくる。
主人公の気持ちも、その時に聞いているであろう風の音も。
”インターステート15でモハヴェ砂漠を横切り、オアシスに吸い寄せられるように町に降りた”
言葉がころころと気持ちよく響く。呪文のようにステキな言葉たち。
さりげない地名1つにも色合いがある。
このショートストーリーに出てくる「声」は、貨車の声、なんですよね。
心で会話をする稀有な友人としての貨車。そんな不思議な感覚も、なぜかしっくりくる。私にもそんな存在があるから。


私はこうしたただただ広い平原に古びたダイナーがポツーーンみたいな風景を偏愛していて、心の故郷のように感じているのだけど、それって、生まれ育った北関東の平野(およそ山紫水明に恵まれた日本らしからぬ乾いた風景と車社会の文化)に似ているせい…も、ちょこっとあるように感じています。DNAレベルで共鳴する何かがあるw
単純な話、アメリカのロードサイド文化「的なもの」にすごくヨワイのだけれど、ホントはそういったテイストを日本人がこうしてビジュアル化したり文章で表現したものが好きなのかもしれません。日本人が感じる、アメリカ的な…「何か」に惹かれる。
憧れを持った者が、同じ憧れを抱いた者に共鳴する感覚で。
そのまなざしをもってすれば、国道4号線沿いのファミレスであれど、ルート66のダイナーであるかのごとく、だったりするんですよ(ライ・クーダーの音楽があればさらにw)
秋山さんがコピーを書いていたマグライトの広告も本になっていたので、こちらも購入しました。


A KA RI

A KA RI


現在発売中ですので書店で購入できます。
中身の雰囲気はこんな感じ。



文章は短め。英文対訳が付いてます。
マグライトの広告はひろーーい場所にポツーーーンと灯りがともっているようなものばかりです。
世界の広さと計り知れなさ、人の孤独や自由、宇宙の不思議まで感じる。
写真家・藤井保さんの作品です。
そこに秋山さんのコピーが映える。
寝る前に、静かな気持ちでページを繰ると、うっとりしますよ。